For Rent! For Talent! 4

ジャンルフリーの公募展

会期/開館時間

2008年11月2日 − 11月24日
10:00 - 20:00
休館日 11月18日

入場料
  • 無料
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グランプリ1名と入選者11名が決定!

4回目となる今年は、全国から135件の応募が集まり、グランプリ1名、入選者11名が選出されました(11名のうち、3名は審査員特別賞として選出)。
グランプリを受賞したのは、愛知県在住のアーティスト清水陽子さん(1977年生まれ)。立体や映像作品を手掛ける清水さんは、作品のクオリティの高さ、表現力の強さ、コンセプトを伝える明確な意思などが高い評価を受け、選出されました。審査員は塩原将志氏(アート・オフィス・シオバラ代表)、山下悟氏(+81)など。
以下、今年の入選作家、審査員のコメントをご紹介いたします。

旧ウェブサイトブログでのレポート記事

グランプリ

清水陽子 【グランプリ】

1977年生まれ 愛知県在住

 

生命体の持つ神秘的なフォルムや構造、そこから生まれる静かなエネルギー、広がっては集まる自然の生きた数理性と美しさにひかれます。平面、立体、映像の境界を越え、間をさまよい、次元を融合する、そしたら新しい世界が見えるかもしれない、毎日が実験と冒険です。

審査員特別賞

ISA 【審査員特別賞/選出 塩原将志】

1982年生まれ 千葉県在住
※作家の意向により、コメントは掲載しておりません

篠塚 れいこ 【審査員特別賞/選出 三菱地所アルティアム】

1985年生まれ 茨城県在住
加工肉を媒体とした作品。本来、死骸という言わば忌むべきその存在であるが、加工を通し、ただの食材へと意義を変化させられる。人間の都合によって取捨選択される情報、それにより失われた生命を再び問いだたす。

渡辺 おさむ 【審査員特別賞/選出 山下悟】

1980年生まれ 東京都在住
私は、もののかたちを表現する根源として, クリームのデコレーションをとりあげる。私の記憶のなかには、製菓教室の講師である母親が, いつも作っていたケーキがある。それは私が生まれてきた環境に常にあったものであり、これまで、私が見てきた、他のどんなものよりも、はるかに深い印象を私の視覚に、記憶に残した。そのクリームの表現方法に魅力を感じ、その集合美、躍動感、生命力で空間を埋め尽くしたい。

入選

大川 由香里

1982年生まれ 鹿児島県在住
日常的な物質のテクスチャーを変化させることにより、触覚を喚起させる作品を探求する。今回は感覚の奥底に横たわる触覚的な風景をコンセプトに、板の表面を彫刻刀で彫り起こして毛羽立たせ、ひとつのフィールドを創る。

小松 綾

1980年生まれ 京都府在住
多数の凹凸を表面につけたアクリルミラー板を、床に正方形に並べて置きます。その表面は、まるで雨が水面にあたり跳ねる瞬間のようにも、雫が落ちる一瞬のようにも見え、流れる時間の浸食から一瞬解放された空間をつくりだします。

佐々木 周平

1986年生まれ 山形県在住
普段意識していないごく当たり前のものが、想像を超えるほどの、数や量、大きさになった時、新しいものが生まれる。そこには、元々は存在しなかったエネルギーさえも生まれる。そんな、誰も見たことのない風景を作りたい。

柴田 英理

1984年生まれ 東京都在住
私を惹きつけるのは人間。醜くおぞましいとされる人間にも美しさがきっと見いだせる。今回の作品は醜くおぞましいとされる人間に挑みました。愛を感じながら。

テラダ ケイゴ

1983年 神奈川県在住
父は私を愛し育ててくれたが、2994588番目の私ではなく223221番の子供でも、同じように愛していたのだろう。すごく嫉妬した記憶があった。父の若い頃の写真を見たとき、私のことを知らない父がいた。

直島 航

1963年生まれ 大阪府在住
観覧車は不思議です。楽しいのに、懐かしく切ない。 その一周が人生に、ゴンドラひとつが、人ひとりに思えて。いつからか、観覧車のある風景は、人の心から溢れる感情が映す模様だ、と感じるようになりました。

林田 健

1979年生まれ 愛知県在住
その時代の風景にはその国の社会を象徴する風景があり、風景画を描くことによってそれらを映し出すことができるのではないかと思います。絵が持つprimitiveな力を信じてrebel paintingを以って立ち向かいたい。

Sung Min Kyung

1982年生まれ ソウル在住
韓国人は長く性に対して禁慾的な態度を強要されてきたため、特に多く の女性は性に対して過剰な意識をもっている。女性を象徴する自然と、男性器を強調した赤ん坊の人形により、 遊戯的な若い感性で作品を制作した。

審査員コメント全文

審査員 【塩原 将志】
今、現代アートが“熱い”と盛んに言われています。欧米が主導的だった美術品市場が近年アジアにも拡大し、上海や香港でのオークションの高額落札などの報道により、美術品の価格が注目されていることも要因の一つです。相変わらず、美術品の値段はわからないままのようですが、作品そのものは以前に比べると、格段にわかりやすくなっていると思います。“熱い”のは価格だけでしょうか。作品に籠められたアーティストの強い情熱と新鮮な発想、これらが多くの人々に“熱い”と感じさせ、若い才能への期待が高まっていることこそが、最大の要因ではないでしょうか。

私は、For Rent For Talentのように、作品制作の機会と発表の場所をアーティストに提供し、その評価を上げていくためのあらゆる活動を通して、価値観の構築がなされ、結果として経済的価値を有する作品となるものと考えます。 応募者の作品の制作方法及び展示を前提としたプランから、アーティストが何を伝えたいか発表の準備と覚悟の有無この2点に留意して審査に当たりました。

伝えたいこととは、興味の対象は何か? 視点はどこにあるか?何故作品にするのか? それらは、またアーティストの自分自身に対する問いかけでもあります。
発表の準備と覚悟とは、他者へのアプローチ、即ちどのようにして伝えたいことを伝えるか?果たして本当に伝わるか?必ず伝わるに違いないという信念を持っているかです。
美術品の価値は、多くの人の批評にさらされ、評価されて、ある時間をかけて決められていくものです。本当に伝わるか?は、鑑賞者の存在も、作品の価値を決定する大切な要因ですから、鑑賞される来場者の皆様も、お一人お一人が審査員となって、会場での実地審査に加わっていただきたいと思います。

今回選出されなかった応募プランのなかにも、大変興味深いものが多々ありました。また他にも実際に作品を体験したくなるもの、あるいは作品を制作したいという作り手の強い意志が、確かなものとして伝わってくる手応えを感じるものもありました。

最後になりましたが、今回山下悟さんとご一緒させていただいたことにより、私にとって現代アートに対する新たな視点が生まれましたことは望外の喜びであり、心より感謝申し上げます。
アート・ディーラーとして、美術品販売の活動をしております私には、将来必ず、応募者の方々の作品が豊かな経済的価値を持って現れるに違いないとの予感があります。その日のおとずれるのが近いことを楽しみに期待しております。

 

 

審査員 【山下 悟】
最近、現代アートにふれあう機会が多くなっている。昨夏は南アフリカ、今夏もブラジル、アルゼンチンの現代美術館、ギャラリーを1ヶ月ほど巡って来たところであった。世界ではモダンアートが日常化し、特にニューワールドと言われる新興国にとっては、国民的スターのアーティストも少なくない。海外でのモダンアートに対する敬意と熱意を比べると、日本でのアートブームが一部の限定化された現象に感じてしまうのだが、For Rent For Talentでは、一般公募作品を一般の人に見てもらうという開放的な企画で、アートの日常化という意味で興味深く感じられる。

一般公募という枠の広さに一抹の不安を感じていたが、応募作品を眺めていくうちに日本の若いエネルギーの発露が、アートでの自己表現へと移行している時代の動きを強く感じとれた。クリエイターとは鰹節と考えている。身を削ってダシの味がでるという意で、身をよく削らなければ風合いも味も無い作品になる。選考しながら、削りたての若い風味と匂いを存分に堪能させてもらった。

選考の基準を日本の若手作品と自分自身が海外に紹介したいと感じるものでコンセプトと表現にストーリーと強さを感じる作品プランに印をつけていった。海外でプレゼンする際に表現力の強さコンセプトの組み立て展開の方法を詳細に説明しなければならない。実際、ニューヨークで何十ものギャラリーに若手作品の紹介やエキジビションのプランを手持ちで巡った経験から、世界で活動する際には、微細にわたるコンセプトの説明と組み立てかたが重要視されるからだ。

塩原さんと別々に選考し終わると30もの作品プランが机上に残っていた。塩原さんと笑って2回に分けて開催したらどうでしょうと話すほど秀逸な作品が多かった。最終的に絞り込まれた12案は、個性の強い作品群になり、どのように展示されるのか楽しみにしている。

現代アートを実践で牽引されている塩原将士さんとの出会いから、日本の現代アート基盤の強さを教えていただき、公募作品の刺激とあわせ現代アートの未来を垣間見るという貴重な時間をいただいたことを心から感謝している。私事ながら、来年アジアのアートとデザインの狭間という括りでニューヨークのキュレーターと定期刊行書籍を世界に向けて発行する準備をしている。その最中に心地よい刺激と光明を感じさせてくれたことを関係者にお礼を申し上げたい。

ニューヨークは、アートが育つための選択眼のあるギャラリー支援してくれるコレクター厳しく評価する批評家の三位一体があるからこそアートビジネスの聖地と認められている。For Rent For Talentが、福岡という地の利からもアジアのアートの聖地へと発展してくれることを期待して最後の言葉としたい。

お問い合わせ

三菱地所アルティアムイムズ8F
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開催中

2019/8/31 − 10/6  |  10:00-20:00  

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