二人のファーブル
ヤン・ファーブルとジャン・アンリ・ファーブル『昆虫記』の世界
2008年11月29日(土) − 2009年1月4日(日)
10:00 - 20:00
休館日 12月31日(水)、1月1日(木・祝)
一般:400(300)円 学生:300(200)円
- ()は前売料金/チケットぴあ
- 再入場可
- 高校生以下無料
- アルティアムカード会員無料

『昆虫記』より(C)Philippe Caron/Archives Delagrave,Paris
昆虫に魅せられた二人のファーブル
三菱地所アルティアムでは、日仏交流150周年を記念し、昆虫を対象に異なる分野で研究と制作を重ねたジャン・ファーブル(『昆虫記』著者)とヤン・ファーブル(現代美術作家)による展覧会を開催します。
この展覧会では、昆虫-なかでもとりわけスカラベ・サクレに魅せられ、昆虫の生態や変態過程、自然一般へ共通した関心を持つ二人が、科学、現代美術という分野と世代を越えて交差します。
会場には、『昆虫記』の図版にも用いられたジャン・アンリ・ファーブルの息子、ポール・アンリ・ファーブルの写真やジャン手描きのスケッチなど、貴重な資料や書籍を、現代美術作家ヤン・ファーブルによるドローイングと映像、立体作品と合わせて展示。また、フランス映画の黎明期に100本以上の映画制作に携わった監督アンリ・ディアマン=ベルジェ(1885-1972)が撮影した、ジャン・ファーブルの生涯を辿る映画「ムッシュ・ファーブル」の映像を上映し、昆虫シーンの基となったポール・アンリの写真と対比。ジャンと『昆虫記』を写真映像で捉えようとした試みを振り返ります。
ジャン・アンリ・ファーブルの生涯と『昆虫記』は、世代や国を越えて、たくさんのアーティストたちを昆虫の世界に惹き付け、アーティストはその小さな生命に宿る神秘を各々の手法で作品の中に表現してきました。本展をとおして、科学と現代美術という異なる視点から自然の様を感じていただけましたら幸いです。
作家紹介
【ジャン・アンリ・ファーブル:科学者、物理学者、詩人】
「昆虫記」で知られるジャン・アンリ・ファーブルは、ほぼ同時期のダーウィンによる「種の起源」とは別の立場から、奇妙な習性をもつ昆虫を独自の視点で観察、それらの行動の謎を解き明かしました。日本でも、1992年から数々の翻訳本が出版され、100年を経た今でも昆虫学だけでなく、文学、芸術の分野にも有形、無形の財産を残しています。
【ヤン・ファーブル:現代美術作家、劇作家、舞台監督、脚本家】
ヤン・ファーブルは、現代美術家、劇作家、舞台監督、脚本家として、演劇と美術の境界を越える多才な活動で知られています。アントワープ生まれながら、ジャンを空想上の曾祖父としてロンドン自然史博物館内部で撮影した映像作品「コンシリエンス」や「昆虫記」の一節にインスピレーションを受けたドローイング等を制作。昆虫への強い関心を示す作品は、ヤンの多様な創作の中でも重要な位置を占めています。