Art Jewelry Today
現在進行形のジュエリー
2015年1月17日(土) − 3月1日(日)
10:00 - 20:00
休館日 1月20日(火)、2月17日(火)、2月18日(水)
- 入場無料

KIRAYURINA(Brooches/Acryllc,Wood,etc)
国内外のジュエリー約300点を一堂に集めた展覧会 アートジュエリーの魅力をご紹介します
ジュエリーの歴史は非常に古く、10万年前には既に古代の人々が身につけていたと云います。一方で、ジュエリーは時代を追うごとに多様化し、人々の思想や傾向、ファッションに合わせて形を変え、現代では固定概念から開放された自由な表現の対象になってきています。
本展では、そのような独創的なジュエリーおよそ300点を一堂に集め、「デザイン」「コンセプト」「アート&ファッション」と3つの要素に分けて世界各国のジュエリーをご紹介します。ジュエリーという小宇宙に、作り手は何を見い出し創作しているのでしょうか。現在進行形のアートジュエリーの世界に出会うことのできる本展に、お誘い合わせの上、ご来場頂ければ幸いです。
日本のジュエリー界を牽引する作家 薗部 悦子、小西 潤、オランダのフェリカ・ファン・デル・リーストなど ジュエリーブランドや作家 約30名によるグループショー
本展出品作家のひとりで、長年日本のジュエリー界を牽引してきた薗部悦子は天然石と貴金属を組み合わせたコンテンポラリーなデザインで世界的に注目を集めています。素材そのものの魅力を最大限に引き出す独自のカットやセッティングは、余分な装飾がなく洗練されたアートピースのようです。また、オランダ人ジュエリー作家のフェリカ・ファン・デル・リーストは、市販の動物フィギュアを分解・溶接し、編みこんだニットを着せたユーモラスなジュエリーを創作しています。カラフルでユーモラス、時にシニカルな物語性を孕むジュエリーは、身に着けた時にチャーミングな存在感を放ち、ジュエリーの愉しみを伝えてくれるでしょう。そして、注目の作家のひとり、日本とドイツでジュエリーを学んだ小西 潤は、インスタレーションを手段としており、バケツや風呂椅子などプラスティック製品を集め、彫刻刀で削った断片を作品として発表しています。削り取られたプラスティックは、くるりと円になり紐を通せばネックレスに変化します。小西は「穴の空いたものは何でもジュエリーになる」と語り、ありふれた工業的な素材が、ジュエリーに変換されることを提示します。また、ジュエリーは物体としての美しさのみならず、洋服との関係性が強い小物です。本展では、ミナペルホネン、シアタープロダクツという、独自の世界観を持つ日本のファッションブランドに着目し、オリジナルテキスタイルから生み出されたジュエリーやブランドコンセプトに基づくジュエリーなど、ファッションブランドならではのトータルコーディネートの視点により創作されたジュエリーをご紹介します。
アートジュエリーは、作家それぞれの作品として、またファッションの表現として多種多様な広がりを見せ、次々に新たなデザインが生み出されています。本展により、現在進行形のジュエリーの奥深さ、魅力を感じて頂ける機会になれば幸いです。
参加作家・ブランド 約30名 (※五十音順)
梅田 香奈、オットー・クンツリ、オン ザ ライン、カール・フリッチ、吉良ゆりな、小西 潤、小林 モー子、シアタープロダクツ、シハラ、シャビエル・モンクルス、ジュンジュン、薗部 悦子、ディニエ・ビシムス、テッド・ノートン、富松 暖、トラフ建築設計事務所、ハイス・バッカー、彦根 愛
フェリカ・ファン・デル・リースト、フランク・ティプケマ、ベッティーナ・シュペックナー、ヘルマン・ヘルムセン、ペンタ、ボロロ、マーク・モンゾ、光島 和子、ミナ ペルホネン、山崎 航、山﨑 知佳、リボネシア、リン・チャン
作家プロフィール
・薗部 悦子(そのべ・えつこ)
1955年東京都生まれ。武蔵野美術短期大学専攻科卒業。企業のジュエリー、ウオッチなど、プロダクト製品の商品開発にデザイナーとして携わる。それと並行して、石の扱い方に特徴がある「etsuko sonobe」のジュエリーブランドを展開。一方、作家活動としてジュエリーの制作を続ける。オランダ、オーストリアやイギリスなど海外、国内のギャラリー、美術館などで発表している。スコットランド博物館、ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館(オランダ)などに収蔵される他、2009年The Marzee Prize受賞。
・吉良 ゆりな(きら・ゆりな)
1964年神奈川県生まれ。テレビ美術制作会社のイラストレーターとして勤務した後、1996年イタリア・ミラノのブレラ美術学院絵画科を卒業。イタリアの建築に強い影響を受け、絵画から木を使った壁面作品制作に移行する。 作品の個展と並行して箱、ネックレスなどのアートクラフト作品も制作。 帰国後、インテリアショップTIME&STYLEよりミラー壁面作品の製品化、 2008年より主に木とアクリルミラーを使ったブローチ制作を始める。 現在「KIRAYURINA」としてブローチ制作と壁面作品制作の両方で活動中。
・フェリカ・ファン・デル・リースト
1968 年オランダ・エメン生まれ。MTS Vakschool(オランダ)で金工を専攻し、リートフェルトアカデミー(オランダ)のジュエリー学科を卒業する。現在はノルウェー在住。テキスタイルミュージアム( オランダ)、イギリスでの個展をはじめ、ヨーロッパやアメリカ、日本の美術館やギャラリーで作品を精力的に発表。2008年にはオランダのProfiel財団よりテキスタイルデザインの分野で最も優れたアーティストに贈られるProfielprijsを受賞。同年コンテンポラリージュエリーの国際展The European Triennial of Contemporary Jewellery(ベルギー)にてグランプリを受賞。
・小西 潤 (こにし・じゅん)
1974年群馬県生まれ。ヒコ・みづのジュエリーカレッジにて伊藤一廣にジュエリーを教わる。ミュンヘン国立造形美術大学ジュエリー科(ドイツ)修了。2005年オットー・クンツリ教授よりマイスターシューラーを取得。2009年帰国し、国内外で作品を発表。伊丹ジュエリーカレッジ講師を務めている。