諏訪 敦
2011年以降/未完
2017年10月7日(土) − 11月5日(日)
10:00 - 20:00
休館日 10月17日(火)
一般:400(300)円 学生:300(200)円
- ( ) は前売料金 / チケットぴあ[Pコード:768-593]・10名以上の団体料金
- 再入場可
- 高校生以下、障がい者等とその介護者1名は無料
- アルティアムカード会員・三菱地所グループCARD(イムズカード)会員無料

《Can't See Anything Anyway Ver.7》
910 × 606 mm
パネル/白亜に油彩 2014年
©Atsushi SUWA
Courtesy of Gallery Naruyama
どれだけ見つめれば、その人を知ったことになるのでしょう。
どれだけ正確に描けば、その人を描いたといえるのでしょう。
「現実を忠実に再現する」という写実のテーゼを、多角的なアプローチで乗り越え、視ることの拡張を試みる画家、諏訪敦の作品を展覧します。西日本で本格的個展は初めての機会となります。
本展では、2011年以降の平面作品を中心に、諏訪の制作に迫った短編のドキュメンタリー映像をあわせてご紹介します。近年の作品の中でも、満州で亡くなった自身の祖母の姿を描いた《HARBIN 1945 WINTER》は、初の本格的な展示となります。本作の制作プロセスは、2016年にNHK ETV特集で取り上げられ話題を呼びましたが、70余年という隔たりと闘いながら描いた作品は、真実とは、表現とはなにかという作家の追究が伺えます。これまで諏訪は、超絶的な描写力で人物を写しとるだけでなく、対象とのコミュニケーションや綿密な取材をおこない、複眼的な考察によって社会的な背景や個の在り様を浮かび上がらせてきました。特に2012年8月20日にシリア・アレッポの銃撃戦で亡くなった、ジャーナリスト 山本美香の肖像画は象徴的なものです。対象に肉薄し、細部に至るまで深い慈しみを注いだ作品群は、観る者に強い印象を与えるでしょう。
ドキュメンタリーの視点を孕み、観る者に問いかける諏訪の作品はこれからの絵画表現の行方を指し示すかのようです。最新作を含めた作品群が揃う機会に是非ご高覧ください。
プロフィール
諏訪 敦(すわ あつし)
1967年北海道生まれ。1994年、文化庁芸術家派遣在外研修員としてスペイン在住。2011年、NHK日曜美術館「記憶に辿りつく絵画~亡き人を描く画家~」にて単独の特集。2013年小谷忠典監督 短編映画作品『flow』に出演。2016年、NHK ETV特集「忘れられた人々の肖像 ~画家・諏訪敦 “満州難民”を描く~」放映。
主な個展に、2011年「諏訪敦絵画作品展~どうせなにもみえない~」(諏訪市美術館/長野)、 2014年 「Sleepers」 (Kwai Fung Hin Art Gallery/香港)、2015年「諏訪敦絵画作品展~美しいだけの国~」(成山画廊/東京) などがある。