編みものけものみち 三國万里子展

三國万里子があなたのニットと対話する会③

第3回は「ほっこり系」。当選者は、osatoさん、アイコさん、kapa830さんです。青字は三國万里子さんからのコメントです。
第1回目はこちら、第2回目はこちらから。

osatoさん(29歳)

osatoさん(29歳)

オリジナルのニットを作るのは初めてというosatoさん。
「一からものを作り出すことの大変さ」を経験したとおっしゃっていましたが、この帽子にはosatoさんのアイディアと工夫がしっかりと込められています。
まずスヌーピーの耳みたいな可愛い耳あてから頭部にかけて、ケーブル模様が施されているおかげで、自然な流れでパーツ同士の一体感が表現されています。
ゴム編みの帽子本体は、後ろ側が首を覆うように長めで、前はアビエイター・キャップ(飛行士の帽子)のように上に折り上げられて、帽子の形にメリハリを与えています。
色もオレンジ色の本体に茶色のネップ糸を合わせたところに、素材の持つ厚みを表現しようという工夫が感じられて、とてもいい。
オリジナルの2作目もぜひ、鋭意作っていただきたいと思います。

 

アイコさん(46歳)

アイコさん(46歳)

胸に大きな魚を編み込んだベスト。
魚好きの息子さんが描いた絵を元にしたもので、ディテイルもしっかり再現されています。
お母さんであるアイコさんが語るお話の端々に、息子さんへの愛ある眼差しを感じて、これは一種の「ファン・アート」だなと思いました。
魚の編み込みに、生き生きした親子の語らいの中で生まれるもの特有の、すごくパーソナルで、かつ一回性の火花のようなものが宿っているのを感じます。
今回は棒針編みの作品の募集でしたが、アイコさんからは番外編としてかぎ針編みの「魚型のポーチ」も同梱されていました。
これは釣りをするときの物入れだそうで、小さい釣り師である息子さんがこれを腰につけ、竿を構える姿はさぞ決まっていることだろうと想像します。
魚のニットたち、息子さんが大きくなっても懐かしく見返すでしょうから、ずっと大事に取って置かれますように。

 

kapa830さん(56歳)

kapa830さん(56歳)

愛犬のセーターと、ご自分用のベストをお揃いで編まれたkapa830さん。
犬は人間とプロポーションも、手足の出方も違うので、形を作るのがなかなか難しく、またその分面白くもあったのではと想像します。
二枚を見比べて、犬くんのセーターの方がしっかりと使い込まれ、フェルト化しているのがとてもリアルで、このセーターは相当彼の役に立ったんだなあと、オンライン画面の端っこに映るシェパードくんとセーターを見比べながら、ジーンとした気持ちになりました。
kapa830さんは以前わたしのニットのクラスに出ていらっしゃったので作品をよく覚えているのですが、トラディショナルな模様にご自分の好みを加えながら、すごくクオリティーを感じさせるものを作る方です。
自分にとってのチャレンジを次々に設定する様子が見ていてかっこよく、これからも素晴らしいオリジナルニットを作っていかれることと期待しています。

———–

企画にご参加くださった皆様、三國万里子さん、ありがとうございました。
会期は1月31日(日)まで。ご来場お待ちしております。

*三菱地所アルティアムでは、感染予防・感染症拡大防止のため、対策をおこなっています。こちらを確認のうえご来場ください。みなさまのご協力、よろしくお願いいたします。

【展覧会ページ】
編みものけものみち
三國万里子展

2020/12/19 − 2021/1/31

浅田政志写真展

トーク&サイン会

浅田政志 『家族写真は「 」である。』亜紀書房 (2013年)

浅田政志 『家族写真は「 」である。』亜紀書房 (2013年)

浅田政志が制作について語ります。会場併設ショップで浅田政志の関連書籍お買い上げの方を対象に、サイン会もおこないます。

日時:2月6日
① 10:15〜10:00受付開始
② 11:15〜11:00受付開始  ② 11:45〜11:30受付開始
各回30分程度 各回トーク30分程度
トーク後は、併設ショップで浅田政志の書籍をご購入いただいた方を対象にサイン会をおこないます。サインはお一人1冊まで

完全入替制
会場:三菱地所アルティアムイムズ 8F
定員:各回20名  定員:各回10名 *感染症対策のため着席でおこないます。
料金:無料要展覧会チケット、要事前申込。
申込:アルティアム092-733-2050まで要電話予約。1月16日10:00より受付開始。定員に達し次第、申し込み終了。
*ご来場の際は、こちらをご確認のうえお越しください。
*緊急事態宣言を受けて感染症対策を強化し、イベント実施概要を変更しています。1/15更新

【展覧会ページ】
浅田政志写真展『私の家族』
2021/2/6 − 3/14

編みものけものみち 三國万里子展

三國万里子があなたのニットと対話する会②

第2回は「パッチワーク系」。当選者は、COMOさん、ペリコさん、heavymoonさんです。青字は三國万里子さんからのコメントです。

COMOさん(44歳)

COMOさん(44歳)

バブルステッチという丸い凹凸模様でストールを編まれたCOMOさん。
幅広で大判のストールを、とても細い糸で、それも引き上げ編みを駆使した柄で編むというのはなかなか大変なことです。
でもそれを敢えてするところにニッターの個性や自由があるのだとも思います。
編み地は所々で色を変えたりラメ糸を入れながら、繊細なグラデーションを作り出していて、眺めているとCOMOさんの語りを聞いているよう。
このストールは両端に大きな編み出しボブル柄のポケットがついていて、半折りにして首から下げ、手をポケットに入れる仕様になっているのですが、実際巻くと見た目よりずっと軽いことに驚きました。
機械編みのような緻密さがありながら、触れると手編みであることがしっかり伝わるニットでした。

 

ペリコさん(36歳)

ペリコさん(36歳)

Jamieson’sの糸二本どりでカラフルな半袖プルオーバーを編まれたペリコさん。
使っているレース模様はいわゆるfeather(鳥の羽)パターンというシェットランドレースに多く見られるもので、シェットランドの糸がシェットランドの模様を引き寄せた感がありますね。
横方向に色が変わっていくので、継ぎ目はどうしていらっしゃるんだろうと思ったら、糸を絡ませて編み目に穴があかない工夫が施されていました。
下から上に向けてちょうどよく減らし目しながら形を整え、レースのスカラップで縁の曲線を作り、ウエアとしてまとめ上げているところに、ペリコさんの編みもの歴5年の実りを見る気持ちがします。
何よりこの色の取り合わせがすごくかわいらしくて、ペリコさんの人柄を感じさせます。

 

heavymoonさん(57歳)

heavymoonさん(57歳)

このショールを拝見してまず思い浮かべたのが、絵本の『ぞうのエルマー』でした。
なんと楽しい色使いでしょう。
余り糸を活用するために作られたとのことですが、今まで作った作品から少しずつ集められた色ですから、heavymoonさんの好みがどの色にも行き渡っていて、それでこんなにたくさんの色を使いながら調和しているのだろうと思います。
作る工程をお聞きしたところ、「つぎはぎしながら次はこんな色が来たらいいんじゃないかと、編み地を足していきました」と。
「思いつき」だから「重い月」なんですと笑いながらおっしゃっていたheavymoonさん。
物語を感じるような色の連なりになっているのは、次はどうなるの、というワクワクが作品に表れているからなんだと思います。
パッチワークの編み地はダブルになっていて、2枚がずれないようにカラフルなボタンホールステッチが施されているのも、お人柄を感じさせて素敵です。

次回に続きます。
第一回目はこちらから。

【展覧会ページ】
編みものけものみち
三國万里子展

2020/12/19 − 2021/1/31

編みものけものみち 三國万里子展

三國万里子があなたのニットと対話する会①

当初、アピールポイントをふまえて、三國万里子さんが当選者のニットを見て感じたことをこのウェブサイトでお伝えする予定でしたが、「ニット作品を作った人に直接話を聞いてみたい」ということで、急遽当選した方々とオンライン・ミーティングを開きました。

「作風」の先に行くためには、同じようなことをしている人がいるということを知って、じゃあ自分の個性って何か、ということをさらに深めていくことが大事じゃないかと思います。
という三國さんの言葉を受けて、
「がっつりグループ」
「パッチワーク系」
「ほっこり系」
と3つのグループに分けて、各3名の当選者と三國さんとでお話いただきました。

普段繋がるはずのない人がオンラインで繋がり、「編みもの」という共通話題で盛り上がった楽しい時間でした。直接伺ったお話や、実際に三國さんがニット作品を着てみて気づいたことなども含め、三國さんがコメントを書きました。当選者のニット作品の写真とあわせて、お楽しみください。

第一回目は「がっつりグループ」。たくさんの作品をご応募くださったknitterlandさん、mizuseaさん、シガールさんの3名です。青字は三國万里子さんからのコメントです。

knitterlandさん(40歳)

knitterlandさん(40歳)

今回最もたくさん作品を見せてくださったknitterlandさん。
オリジナルを作り出すということへのためらいがなく、「こんなのあったらかわいいんじゃない」というアイディアも、きっと自然に湧いてくるのだろうな、とお見受けしました。
オリジナルづくりには「産みの苦しみ」というのがつきものだと思うのですが、彼女は苦しみを楽しみに変えてしまうのかもしれない。
作品をよく見ると、普通ならありえないくらい面倒と思う技法を真正面から取り入れながらのびのびとまとめ上げていて、作ることの筋力を感じます。
色使いにしっかりとした好みとセンスがあり、カラフルな柄が饒舌におしゃべりするようなニットたちでもあります。
サメのセーターとミトンがわたしはすごく好きです。

 

 

mizuseaさん(45歳)

mizuseaさん(45歳)

抑制の効いたロマンティックさを感じさせるmizuseaさんのセーター。
最大の特色は色の使い方です。
ヨークセーターはモノトーンの中に差し色を一つ入れて、グラデーションのセーターは段染め糸を使うのではなく、色の移り変わりを見ながら糸を変えて、自然にトーンを変化させています。
ヨークセーターを編むおもしろさについて、「袖と身頃を合わせた後で、ヨークの柄を編みながらぐーんと減らしていくところが楽しい」と、夢を見るような表情でおっしゃっていて、彼女が感じているスリルが伝わってくるようでした。
セーターの気配りの行き届いた柄行きに、mizuseaさんの、数学的で構築的な美しさへの興味を感じて、しみじみいいなあと思います。

 

 

シガールさん(41歳)

シガールさん(41歳)

作品3点を拝見して、シガールさんはおしゃれでファッションが好きな方なんだろうなぁと思いました。
夢のあるアイディアを盛り込みながら、着た時の体の収まり方がすごく良くて、人を引き立てる。
それは手編みのニットではなかなか難しい到達点だと思います。
都会的な「抜け」があるおかげで、これと何を組み合わせようか、というイマジネーションを広げてくれるところも素晴らしい。
中でも氷柱をイメージしたというスカートは、テクスチャー柄の伸び縮みの性質をしっかり理解して使っていてシルエットがとても美しく、見ていてとても気持ちがいい。
シガールさんがどんなコーディネートでこのスカートをお召しになるのか見てみたいな、と思いました。

次回に続きます。

【展覧会ページ】
編みものけものみち
三國万里子展

2020/12/19 − 2021/1/31

編みものけものみち 三國万里子展

三國万里子があなたのニットと対話する会 結果発表!

三國万里子があなたのニットと対話する会」にたくさんのご応募を、誠にありがとうございました。
当選者は、以下9名です。
アイコ、osato、kapa830、COMO、シガール、knitterland、heavymoon、ペリコ、mizusea
(敬称略、五十音順)

残念ながら今回落選してしまった方々も、ご応募ありがとうございました。
三國万里子さんからのメッセージです。
すべての作品を興味深く拝見しました。
作品がつまらないとか、下手だとかいうことではまったくありません。
今回話題にしようと思ったことと、図らずも合わなかっただけなのです。

三國万里子 写真:長野陽一

三國万里子 写真:長野陽一

自分なりのニットを楽しんで編んでいる方々がたくさんいることをうれしく思いました。ご参加ありがとうございました。

次回より3回に分けて、当選者のニット作品と三國万里子さんのコメントをご紹介します。

【展覧会ページ】
編みものけものみち
三國万里子展

2020/12/19 − 2021/1/31

jikijiki展 料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき

感想帳より

会場に自由にコメントをお書きいただける感想帳を設置しており、日々本展への感想をいただいています。そこからいくつかご紹介します。

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・食に対しての向き合い方がとても素敵だと思いました。日々感謝して食事したいと思いました。

・食の大切さを改めて教えていただきありがとうございました。丁寧に作られるお料理は、とってもきれいです。

・同じく東京から福岡に越してきて、九州の大地の底力に驚いています。素材そのものの美味しさに胃袋をわしづかみされています。本当に楽しく美味しく面白い企画展でした。

・同じ食に携わっている者として刺激を受け、また頑張ろう!と思えました。

・とても素敵な内容で感動しました。私もお料理、マイペースに楽しみたいです。何回もおじゃまします!

・どれもこれも大好きな空間でした。生産者の方々が1つ1つ大切にされていることが分かってとても良かったです。友達を連れてまた来たいです。

・広沢さんの世界をのぞき見させてもらったようで、わくわくしました。お家に帰ってごはん作ろう!

・美味しいご飯ができる理由がぎゅっとつまっていてわくわくしました。

・食べること、作ることの楽しさや幸福感をたくさん感じられる展示でした。

・これからも色々な人や物を食でつなげてください!

・生産者さんの素敵な表情、広沢さんの料理されている時の優しい手、人の手が加わるってすごい力だなと思いました。

 

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食べること、料理をすること、素材や道具、「食」について、広沢京子さんの活動に共感したり、新たな気づきを持ったりする来場者の方が多いのが印象的です。

会期は残り10日ほど。ご来場お待ちしております。

【展覧会ページ】
jikijiki展
料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき

2020/10/3 − 11/1

jikijiki展 料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき

会場紹介

福岡在住の人気料理家広沢京子さんの活動を紹介するjikijiki展、好評開催中です。会場は5つのゾーンに分かれています。それぞれの展示風景とともに紹介します。

1. アトリエ atelier

時期時季に採れた素材を直々に届けたいという思いからできた食のレーベル「jikijiki」。会場の入り口、アトリエでは生産者から直接仕入れた野菜や果物を加工したびん詰め、加工に使う道具、時には料理のアイデアの元となるお気に入りの本、これまでの著書などが並びます。壁に貼っているのは料理教室jikijiki lessonや携わった企画のレシピやメニュー表、関わりを持つ生産者さんたちの資料など。お手に取ってご覧いただける豆本も。細かいところまでお楽しみください。

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2. 作り手 maker

リバーワイルド(うきは)、柿之屋(朝倉)、根菜人(久留米)、野菜やトラキ(糸島)、池松自然農園(糸島)、5組の生産者さんを広沢さん自ら訪ねました。写真、映像、テキストで紹介しています。ほかに、生産者の方々が用いる道具や、作物の種なども展示しています。生産者の皆さんと広沢さんとの関係の始まり、続いてきた交流、広沢さんがそのなかで感じてきた作り手への敬意、作物への思いなど、会場でご覧ください。
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 3. 広める story

時期時季の食材を使った料理教室jikijiki lessonの様子などを交えながら、jikijikiにまつわる3つのエピソードを映像で紹介しています。それぞれのエピソードは実在する人々をモデルに作成しています。共通しているのは、「直に届ける」ことで、小さく、でも深く広がっていくこと。受付で配布のリーフレットにQRコードを載せています。会場が込み合っている時、時間がない方は会場を出てからもご覧いただけます。
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4. ひらめき idea

広沢さんの食のひらめきがちりばめられた部屋です。「1.食べ手を想う」から「9.器に盛る」まで、食卓にふるまうまでの9つのポイント、「味の引き算、足し算」「旬はいつ?」「香りを取り入れて。」など8つの食のヒント、大切にしていることをテキストで紹介しています。自身と照らし合わせながら、これらを日々の食事で少し意識したり取り入れたりすることで、私たちの毎日の食事をいつもより楽しく美味しくさせてくれるかもしれません。
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5. キッチン kitchen

キッチンと食卓、食器棚、それぞれに広沢さん愛用の道具やお皿、オリジナルレシピなどを紹介しています。道具には一つ一つ偏愛コメントが付いています。ここにある道具を使うと料理がもっと楽しく豊かになるかもと、実際に使ってみたくなります。リーフレットをご覧いただくと、アイテムの詳細が分かるものも。食卓では、時期時季のものを使ったレシピを紹介。レシピの紙はお持ち帰りいただけます。お腹が空く展覧会です。ぜひお家で作ってみてください。
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会期は11/1(日)まで。広沢さんが時々在廊もされています。また、併設ショップでのjikijikiオリジナルアイテムや食品も大変人気です。
ご来場をお待ちしております。

 

【展覧会ページ】
jikijiki展
料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき

2020/10/3 − 11/1

編みものけものみち 三國万里子展

2 Days ワークショップ目薬ポーチで編みもの入門

目薬ポーチ 三國万里子作

目薬ポーチ 三國万里子作

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編みものの基礎を身につけて、2日間で小さなポーチをつくります。

【日時】12月19日10:30~12:0010:15受付開始
12月20日10:30~12:0010:15受付開始
【会場】会議室イムズ8F
【講師】三國万里子
【参加費】2,000円道具・材料費込
【定員】6名
【参加条件】両日参加可能な方、編みもの未経験の方。
【応募方法】ハガキまたは封書に、以下内容を書いてアルティアムまでお送りください。
①応募動機必ず本人が書いてください ②氏名 ③年齢 ④住所・郵便番号 ⑤電話番号あれば携帯⑥メールアドレス必ず連絡がつくもの
【送付先】810-0001 福岡市中央区天神 1-7-11 イムズ 8F 三菱地所アルティアム 三國万里子展ワークショップ
【締切】11月27日必着
【当選者発表】応募者多数の場合は抽選のうえ、12月4日までに当選者のみに連絡いたします。

【展覧会ページ】
編みものけものみち
三國万里子展

2020/12/19 − 2021/1/31

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