jikijiki展 料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき

感想帳より

会場に自由にコメントをお書きいただける感想帳を設置しており、日々本展への感想をいただいています。そこからいくつかご紹介します。

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・食に対しての向き合い方がとても素敵だと思いました。日々感謝して食事したいと思いました。

・食の大切さを改めて教えていただきありがとうございました。丁寧に作られるお料理は、とってもきれいです。

・同じく東京から福岡に越してきて、九州の大地の底力に驚いています。素材そのものの美味しさに胃袋をわしづかみされています。本当に楽しく美味しく面白い企画展でした。

・同じ食に携わっている者として刺激を受け、また頑張ろう!と思えました。

・とても素敵な内容で感動しました。私もお料理、マイペースに楽しみたいです。何回もおじゃまします!

・どれもこれも大好きな空間でした。生産者の方々が1つ1つ大切にされていることが分かってとても良かったです。友達を連れてまた来たいです。

・広沢さんの世界をのぞき見させてもらったようで、わくわくしました。お家に帰ってごはん作ろう!

・美味しいご飯ができる理由がぎゅっとつまっていてわくわくしました。

・食べること、作ることの楽しさや幸福感をたくさん感じられる展示でした。

・これからも色々な人や物を食でつなげてください!

・生産者さんの素敵な表情、広沢さんの料理されている時の優しい手、人の手が加わるってすごい力だなと思いました。

 

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食べること、料理をすること、素材や道具、「食」について、広沢京子さんの活動に共感したり、新たな気づきを持ったりする来場者の方が多いのが印象的です。

会期は残り10日ほど。ご来場お待ちしております。

【展覧会ページ】
jikijiki展
料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき

2020/10/3 − 11/1

jikijiki展 料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき

会場紹介

福岡在住の人気料理家広沢京子さんの活動を紹介するjikijiki展、好評開催中です。会場は5つのゾーンに分かれています。それぞれの展示風景とともに紹介します。

1. アトリエ atelier

時期時季に採れた素材を直々に届けたいという思いからできた食のレーベル「jikijiki」。会場の入り口、アトリエでは生産者から直接仕入れた野菜や果物を加工したびん詰め、加工に使う道具、時には料理のアイデアの元となるお気に入りの本、これまでの著書などが並びます。壁に貼っているのは料理教室jikijiki lessonや携わった企画のレシピやメニュー表、関わりを持つ生産者さんたちの資料など。お手に取ってご覧いただける豆本も。細かいところまでお楽しみください。

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2. 作り手 maker

リバーワイルド(うきは)、柿之屋(朝倉)、根菜人(久留米)、野菜やトラキ(糸島)、池松自然農園(糸島)、5組の生産者さんを広沢さん自ら訪ねました。写真、映像、テキストで紹介しています。ほかに、生産者の方々が用いる道具や、作物の種なども展示しています。生産者の皆さんと広沢さんとの関係の始まり、続いてきた交流、広沢さんがそのなかで感じてきた作り手への敬意、作物への思いなど、会場でご覧ください。
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 3. 広める story

時期時季の食材を使った料理教室jikijiki lessonの様子などを交えながら、jikijikiにまつわる3つのエピソードを映像で紹介しています。それぞれのエピソードは実在する人々をモデルに作成しています。共通しているのは、「直に届ける」ことで、小さく、でも深く広がっていくこと。受付で配布のリーフレットにQRコードを載せています。会場が込み合っている時、時間がない方は会場を出てからもご覧いただけます。
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4. ひらめき idea

広沢さんの食のひらめきがちりばめられた部屋です。「1.食べ手を想う」から「9.器に盛る」まで、食卓にふるまうまでの9つのポイント、「味の引き算、足し算」「旬はいつ?」「香りを取り入れて。」など8つの食のヒント、大切にしていることをテキストで紹介しています。自身と照らし合わせながら、これらを日々の食事で少し意識したり取り入れたりすることで、私たちの毎日の食事をいつもより楽しく美味しくさせてくれるかもしれません。
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5. キッチン kitchen

キッチンと食卓、食器棚、それぞれに広沢さん愛用の道具やお皿、オリジナルレシピなどを紹介しています。道具には一つ一つ偏愛コメントが付いています。ここにある道具を使うと料理がもっと楽しく豊かになるかもと、実際に使ってみたくなります。リーフレットをご覧いただくと、アイテムの詳細が分かるものも。食卓では、時期時季のものを使ったレシピを紹介。レシピの紙はお持ち帰りいただけます。お腹が空く展覧会です。ぜひお家で作ってみてください。
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会期は11/1(日)まで。広沢さんが時々在廊もされています。また、併設ショップでのjikijikiオリジナルアイテムや食品も大変人気です。
ご来場をお待ちしております。

 

【展覧会ページ】
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料理家 広沢京子 食のつながり▷食のひらめき

2020/10/3 − 11/1

絵本原画ニャー!mini

絵本作家 きくちちき絵でお答えします!回答③

皆さまからの質問に、きくちちきさんが絵で答える本イベント、最後の質問者と回答を紹介します。回答①回答②も公開中ですので、ご覧ください。
きくちちきさんが描いた絵は、このあと3名の質問者にお贈りします。コメント、動画付きの絵、宝物になるのではないでしょうか。ぜひ大事にしていただければと思います。
きくちちきさん、ご応募いただきました皆さま、本当にありがとうございました。

kekotin(45歳)
世界中どこへでも行けるようになったら、どこへ行きたいですか?何をしたいですか?
実は私たち家族は、上海に駐在していましたが、コロナの件で福岡に一時帰国しています。上海はのらねこでも近所の人たちがエサやりをしたり、雨やどりできるように協力してかわいがっています。実際に触れ合えば何の国問わず、やさしく親切です。上海ガニ、小籠包、とてもおいしいので、ぜひ中国へも!

きくちちきさんからの回答

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kekotinさんへ

いまどこへ行きたいかなと考えると、世界のどこか日本でももちろんいいのですが、行ったことのないとてもいい景色が望める山へ家族で登ってみたいなと思いました。
まだ息子は小さいのでできれば小さな山で、のんびり美しい自然を眺めたいです。
そしてそのあと滝の見えるような温泉にゆったりつかりたいです。
中国は行ったことありませんが、すごく壮大な自然が残っていて魅力的なんだろうなと思っています。
中華料理も大好きです。
のらねこを近所の方々で可愛いがっているのはほっこりしますね。
いつか機会があれば行ってみたいです。
ご質問ありがとうございました。

きくちちき

【展覧会ページ】
絵本原画ニャー!mini
猫が歩く絵本の世界

2020/6/27 − 8/2

絵本原画ニャー!mini

絵本作家 きくちちき絵でお答えします!回答②

皆さまから寄せられた質問に、きくちちきさんが絵で答える本イベント、二つ目の回答をお届けします。下書きすることなく墨で描きはじめるところから、色が混ざってにじむ瞬間、最後にサインを入れるところまで見られる動画にも見入ってしまいます。
回答①はこちらから。

サク(9歳)
①絵がじょうずになるにはどうすればいいですか。
②絵本を書くときの頭の中はどうなっているんですか。
③おはなしの中みをどこでかんがえているのですか。

きくちちきさんからの回答

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サクさんへ

絵が上手になるには上手に描こうと思わないことがいいと思います。
ぼくもついつい上手に描きたいなと思って描けないことばかりで、たくさん描いているうちに上手に描きたい気持ちがいつの間にか消えて、あれ?いいのが描けたなという感じです。
夢中になって描ければとっても楽しいので、夢中になって描けるものを見つけるのが大切なのかなと思います。
絵本の絵を描くときの頭の中は、お話しを想像して自分がそのお話しの中にいるような感覚で描いています。
お話しを考えるときは家や外、何をしているときでも、ほんの少しだけ頭の中にすき間をあけておいて、いつでもそこにアイデアが入ってきてくれるようにしています。
そしてちらっとアイデアが見えたらすぐに絵や言葉を描くようにしています。
サクさんもぜひ絵やお話しをたくさんチャレンジしてみてくださいね。
きっと楽しいと思いますよ。
ご質問ありがとうございました。

きくちちき

回答③に続きます。

【展覧会ページ】
絵本原画ニャー!mini
猫が歩く絵本の世界

2020/6/27 − 8/2

絵本原画ニャー!mini

絵本作家 きくちちき絵でお答えします!回答①

本展関連イベントとして、出品作家きくちちきさんへの質問を募集し、たくさんのご応募をいただきました。その中から抽選で選ばれた3名の方の質問にきくちさんが絵で答えてくださいました。うれしいことに、コメントと動画付きです!3回に分けて紹介します。

にまい(20歳)
きくちちきさん、初めまして。私は美術系の短期大学に通っている2年生です。私はグラフィックデザイナーになるのが夢で、日々勉強にはげんでいます。きくちさんが以前デザイン会社に勤めていたという記事を読み、勝手ながら親近感がわきました(笑)。そこで質問があります。デザイン会社で働いていた時、一番楽しかったこと、うれしかったことは何ですか?


きくちちきさんからの回答

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にまいさんへ

ぼくがデザイン会社にいた頃で楽しかったことは、仕事では正直なところ修行をしている感覚で、楽しいというよりは必死な毎日で余裕がありませんでした。
なにか楽しいことはと思い出してみると、休みの日に会社で仲良くなった同僚と海へ出かけ、岩場でのんびりと絵を描いていたことがありました。
海水を使いその場の土を絵具に混ぜたりしながら、なにも考えず海の絵を描いていました。
いい思い出です。
その頃を思い出すいいきっかけとなりました。
ぜひグラフィックデザイナーの夢をかなえてくださいね。
いつかご縁があることを楽しみにしています。
ご質問ありがとうございました。

きくちちき

回答②回答③に続きます。

【展覧会ページ】
絵本原画ニャー!mini
猫が歩く絵本の世界

2020/6/27 − 8/2

小さなデザイン 駒形克己展

会場レポート

本展は6/21(日)まで会期を延長し開催しています。ご来場が可能な方は、実際に作品をご覧いただきたいですが、なかには難しい方もいらっしゃるかと思います。休業中にSNSで紹介した内容を、会場レポートとしてまとめて公開します。主な章ごとに分けてお届けします。

第1章     ロス・N.Y.

ここでは、駒形さんが20代前半に渡米しロサンゼルスやニューヨークで活動した6年半の間に作られた初期の作品を展示しています。
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タバコのパッケージデザイン案はすべてコンピューターを使わない手仕事によるもの。パソコンで簡単に編集が可能な今と比べて、膨大な作業量がうかがえます。
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ほかにもNBAのオールスターゲームの案内状など、アメリカ・CBSやシェクターグループで活動した当時の仕事、若手のグラフィックデザイナーとして制作した実験的な試作をご覧いただける部屋となっています。「人種のるつぼニューヨークでは、いろんな人や言語、価値観が混在していて、ことば以上に視覚的な手法による問題解決が、デザインの力として求められていました。」と駒形さんは語っています。
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第2章     グラフィックデザインの仕事

アメリカから帰国後、駒形さんはミュージシャンのレコードジャケットやファッションブランドのロゴなど、数多くの企業のためにグラフィックデザインを手掛けました。
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なかには、ZUCCaのロゴマークやコムデギャルソンの案内状、ブランドタグなど、駒形さんによるデザインだと知らず、何気なく目にしていたものもあるかもしれません。
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多岐に渡る仕事は、ここ福岡でも。さまざまな動物が登場する九州大学病院小児医療センターの環境デザインや、ロゴデザイン、選書など館全体のプロデュースにも携わった「絵本と図鑑の親子ライブラリー ビブリオ」など、主に子どものための仕事を身近な場所でも目にすることができます。

九州大学病院小児医療センター

九州大学病院小児医療センター

 

 

第3章     絵本の仕事/第4章 ワークショップ

駒形さんは、89年に娘が生まれたことをきっかけに、絵本を作り始めます。自身が立ち上げたワンストロークの代表作でもある絵本『Little Eyes』シリーズ。
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これまでに10巻刊行された本シリーズは、現在も入手可能な絵本ですが、試作・スケッチなど、カードの形をした新しいタイプの絵本がどのように生まれたか、試行錯誤しながら完成に至るプロセスをご覧いただけるのは、展覧会ならではです。
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次の「4章 ワークショップ」は、世界をまたにかけ様々な場所で活動をおこなう駒形さんのワークショップについて紹介しています。ワークショップは、駒形さんが最も好きな活動のひとつだそうです。常時上映するのは、駒形さんの手話絵本の制作過程に密着したドキュメンタリー番組です。
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インスタレーション

最後の部屋では、駒形さんの絵本のインスタレーション展示や、これまで手掛けた絵本の年表を展示しています。駒形さんがワンストロークや出版社から刊行した本は約30年で60冊超。
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代表作『Little Tree』は、小さく芽吹いた葉が、枝を生やし木となり、季節を経てページごとに姿を変えていくポップアップ絵本です。1ページずつ開いて展示しています。
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子どもの成長に向き合いながら始まった絵本制作ですが、『Little Tree』は1本の木を巡る普遍的なテーマで大人にも読まれるロングセラーとなっています。家の中で過ごす時間が増えた状況の中で、お子さんやご家族、もちろんお一人でも、今なら絵本を読む時間を作ることができるかもしれないという方もいるのでは。興味を持たれた方は下記からのぞいてみてください。
ワンストローク オンラインショップ

「小さなデザイン 駒形克己展」図録はこちらから☟
ブルーシープ オンラインショップ

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ー小さなデザイン
駒形さんが大切にしてきた「小さなこと」。それは、会場の作品を見ても伝わってきます。
手に中に収まる小さなサイズの絵本や招待状、ワークショップや少数の人に向けたデザインなど。小さいからこそ広がる想像の豊かさを伝えてくれます。

6/21(日)まで、併設ショップでもワンストロークの書籍など関連商品を販売中です。6/16(火)は休館日。ご来場、お待ちしております。

画像はすべて 撮影:古賀亜矢子
(九州大学病院小児医療センター内観画像を除く)

【展覧会ページ】
小さなデザイン 駒形克己展
2020/3/14 − 6/21

音と旅する鉱物展

会場レポート

好評開催中の本展、会場を構成する4つの部屋に分けてレポートします!九州大学総合研究博物館の鉱物コレクションや原摩利彦さんによるサウンドスケープについて、本展をよりお楽しみいただく鑑賞の一助としてお読みください。

—HISTORY

最初の部屋は、展覧会のイントロダクションとして「HISTORY」と題し、九州大学で使用されていた古い引出し棚に鉱物を展示しています。
九州大学総合研究博物館は2000年に設立。750万点の標本・資料を有し、収集は1911年の旧九州帝国大学創立以来100年以上に渡ります。そのうち、鉱物標本は約9,500点所蔵されており、その中から150点を展示しています。
福岡市東区箱崎にある同博物館は、平日一部の常設展示室が開いておりますが、今回お借りした鉱物は通常一般公開されていないものです。本展は、同博物館の中西哲也先生に学術的な観点からご協力をいただいています。

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展示している鉱物:蛍石、紫水晶、黄鉄鉱、石膏、虎目石、孔雀石など

 

—TIME #1 内包された時間

二つ目の部屋「TIME #1 内包された時間」に展示している鉱物は、珪化木、隕鉄、天河石です。音楽家・原摩利彦さんが本展のサウンドスケープを担当しています。原さんは同館を二度訪れ、展示する鉱物のセレクト、展示構成の検討など企画協力いただきました。
ここでは3つの展示台の中に振動スピーカーを設置しています。台の天板と鉱物を振動させることでそれぞれの鉱物から音がするかのように響きます。植物が時を経て鉱物になった珪化木は水中マイクで録音した水の音、隕鉄はNASAのサウンドアーカイヴより星の光の変動を音に変換した音をさらに編集した音、天河石はシンセサイザーの音を中心に、作曲しています。

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展示している鉱物:珪化木、隕鉄、天河石

 

—TIME #2 時間が止まった森

三つ目の部屋「TIME #2 時間が止まった森」では、時代や産地が異なる大小様々な鉱物を展示しています。ここでは、原さんがフィールドレコーディングで集めた雨、風、波の音やシンセサイザーの音を編集して使われています。佇んでいると「ゴゴー」と低くうごめくような水の音が聴こえて、しばらくすると音が止まり静寂がおとずれます。温度、重力などの環境要因で、途方もない時間と条件により鉱物が生成されたことにふと思いをはせてしまいます。各部屋の音が重なり合っても美しく聴こえるように工夫が凝らされています。

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展示している鉱物:松岩、チムニー、模樹石、菱亜鉛鉱など

 

—SPACE

最後の部屋「SPACE」は13の什器に約80個の多種多様な鉱物が並びます。ここでは、水平方向に音が広がる4つの無指向性スピーカー、直線的に音が跳ね返るような2つの超指向性スピーカー、計6個のスピーカーから立体的に聴こえる音が空間を満たしています。原さんが実際に博物館を訪れた際に讃岐石を叩いて録音した音の他に動物の声、ピアノなどの音がします。音の編集と一言で言っても、低い音を削る、オクターブを下げる、別の音と重ねるなど様々な方法があります。加えて、その場でどう響かせるか、鑑賞という視覚的な部分に音をどう作用させるかということにも思いを凝らして構成されています。自由に想像をめぐらし音に耳をすませながら、鉱物がここまで経てきた時空を旅するように過ごしてみてください。

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天青石

天青石

曹灰長石 photo: Koichiro Fujimoto

曹灰長石

展示している鉱物:天青石、輝安鉱、曹灰長石、黒水晶、ソーダ珪灰石、白雲母、方解石、緑柱石など

 

会期は1/26(日)まで。最終週末は混み合うことが予想されます。ご都合のつかれる方は平日のご来場をおすすめします。ご来場、お待ちしております。

photo: Koichiro Fujimoto

【展覧会ページ】
音と旅する鉱物展
九州大学総合研究博物館コレクション

2019/12/21 − 2020/1/26

近藤聡乃展 呼ばれたことのない名前

近藤聡乃トークイベント2019年も考え中レポート後編

近藤聡乃さんのトークレポート後半をお届けします!前編はこちらからお読みください。
※印の作品は展示しておりません。

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③《KiyaKiya》以前

《果肉》※ キャンバスに油彩 2008

《果肉》※ キャンバスに油彩 2008

(近藤聡乃さん)《てんとう虫のおとむらい》の次に作ったアニメーションが《KiyaKiya》なんですけど、二つのアニメーションの中間に制作した油彩です。過渡期の作品で、かつ初めての油彩で、なんとなく全体的に考え中だったような気がしますね。油彩はやっぱり難しかったです。

(アルティアム・山田)
これはどういったテーマで描かれたんでしょうか。

(近藤さん)
植物と人との交わりみたいなものがテーマになっています。「詩人の萩原朔太郎が精神的に衰弱した時、植物と交わる夢をみた」というエピソードを読んだことがあり、そういうところからもイメージを広げていきました。それについては「猿とみかんの皮」というエッセイでも触れています。

 

《1/15秒のスケッチ》※紙に鉛筆、油彩 2008

《1/15秒のスケッチ》※紙に鉛筆、油彩 2008

(近藤さん)これも同時期に描いた、考え中のような作品で、少し次のアニメーションに印象がかぶるところがあったりもします。

(山田)タイトルが《1/15秒のスケッチ》。

(近藤さん)1/15秒というのはアニメーションの単位で、スタジオジブリのアニメーションなどは1秒が24枚の絵でできているのですけど、私のアニメーションは15枚なんです。1/15秒を積み重ねて5分くらいのアニメーションにするのですが、その5分のアニメーションを作るのに、2、3年かかります。2、3年かけて1/15秒を積み重ねていく、みたいなことをしていると、特殊な時間の感覚になっていくんです。

(山田)絵画だと、アニメーションと違って構造を複雑にできるというか、いろんな情報が盛り込まれていますね。

(近藤さん)アニメーションとドローイングとで表現できることが違うと思います。マンガはもう少し物語を明確に伝えられますね。

(山田)1/15秒についての書かれたエッセイ「二十年後の皺寄せ」は、会場内壁面に近藤さんが手書きしています。ぜひご覧ください。

 

(近藤さん)これらの作品を2008年のミヅマアートギャラリー での個展で発表し終えてから渡米しました。

(山田)実際にニューヨークに行かれてどうでした。

(近藤さん)スッと気持ちが軽くなるような、解放されたような感じがしました。いい加減にしていても許されるような気楽さがあって、肩の力を抜いて生活できますね。言葉が日本語ほどは分からないのも案外良いのかもしれません。

 


④KiyaKiya

《KiyaKiya_sketch》紙に鉛筆、水彩 2009-2010

《KiyaKiya_sketch》紙に鉛筆、水彩 2009-2010 《KiyaKiya_sketch》紙に鉛筆、水彩 2009-2010

(近藤さん)アニメーション《KiyaKiya》の構想スケッチです。どんなアニメーションを作ろうか、ちょっとずつイメージを固めて描きためていったものが、今回の展示ではアニメーションの前に積み重ねてあります。

(山田)スケッチはあれで全部ではないですよね。

(近藤さん)そうですね。

(山田)1日に何枚くらい描かれていたんですか。

(近藤さん)1日何枚とは決めずに気が向いた時に描きました。描こうと思えばいくらでも描けるけど、一枚も描かない日もありました。描きながら考えて、いいものを残していきました。

 

(山田)「きやきや」という言葉については、フライヤーにも書いてくださっていますね。

(近藤さん)澁澤龍彦の『少女コレクション序説』の中で初めて知ったのですけど、「胸がきやきやする」という言葉があって。簡単にいうと、デジャヴみたいなものを体験した時に感じる、不思議な気持ち、あれを指す言葉なんですね。その言葉を知った時に、そういえばあの気分というのはよく知っているけど、あの気分の名前を知らなかったことに気がついて。そういう「名前のついていない物事」があるのかとすごく新鮮に感じました。英語圏で暮らすようになって、日本語と英語が噛み合っていかないとか、日本語にはあるけど英語にはないとか、その逆とかもあったり、言葉について考える機会が増えました。《KiyaKiya》は言葉について考えながら作った作品でもあります。

 

《KiyaKiya》シングルチャンネル・アニメーションビデオ 6分39秒 2010-2011 音楽:ジョン・ゾーン music copyright ©︎ John Zorn

《KiyaKiya》シングルチャンネル・アニメーションビデオ 6分39秒 2010-2011 音楽:ジョン・ゾーン
music copyright ©︎ John Zorn

(近藤さん)これはアニメーション《KiyaKiya》の中から抜き出した静止画です。ここに出てくる文字はアルファベットとひらがなを組み合わせて自分で作った文字です。それで宮沢賢治の『インドラの網』という小説から抜粋した文章を書いています。

(山田)そうなんですね!何を書いているかは公にしていらっしゃらないと思っていました。

(近藤さん)公にはしていないんですけど、別に隠してもいないです。最初の3行は「ごらん そら インドラの網を」「ごらん そら 風の太鼓」「ごらん 青孔雀を」という文章になっています。

(山田)紙芝居というのは、何か意味があるんでしょうか。

(近藤さん)紙芝居は、絵と対応している文章が同じ紙の裏には描かれていないということに大人になってから気づきました。1枚前の絵の裏に、今見せている絵の文章が書かれているんです。紙の表裏に1枚分の時差があるんですよね。そのことに気がついて、びっくりして、それが《KiyaKiya》を作るときにはすごくヒントになりました。

 

⑤現在進行形の作品

(山田)近藤さんの手書きの文字が好きという方、すごく多いと思うんですけど、文字に対する思い入れはありますか。

(近藤さん)多分何かあると思うんですけど、あまり具体的には自分でもわからないですね。

(山田)現在連載中のマンガ『A子さんの恋人』では明朝体の文字ですが、近藤さんが手で書いてらっしゃる部分は、それ以上に何か見る人に強い印象を与えるようにと思います。

(近藤さん)そうですね。このマンガで初めて活字を使っています。作中作として5巻に主人公が描いたマンガがでてきますが、そこは手書きの字にしています。
今回展示しているのは、生原稿です。なるべく修正を出さないように描いています。

(山田)それは理由がありますか。

(近藤さん)それが一番きれいに描けるというか、一息に線を引いて決める方が気持ちが良いです。私はマンガ以外のドローイングなども描くので、そちらに修正を入れないように、マンガ原稿にもなるべく入れないようにしています。

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(近藤さん)次に作るアニメーションの構想段階のドローイング6点も展示しています。なんとなくこんな感じのものを作ろうかなと思っています。

(山田)今回の展覧会で初めて公開された作品ですね。女の人が小さな子どもを抱いている《アニメーションのためのドローイング01、母》というタイトルのこの作品は?

(近藤さん)まだニューヨークに住み始める前に、子どもを生んで名前をつけるという夢を見ました。今回の展示のタイトルに繋がるのですが、その夢をヒントにまだ呼ばれたことがない名前のものだけど、存在している何か、みたいなものをテーマにしようかなとちょっと考えています。この《アニメーションのためのドローイング02、貝》という作品も同じです。これも夢を見たことを元に描いた気がするんですけど、ちょっと忘れてきちゃったな。やっぱり具体的に作品にしていないことは忘れがちですね。

(山田)おかっぱの女の子ではないですね。

(近藤さん)もうおかっぱの女の子は出てこない気がしています。この《アニメーションのためのドローイング02、貝》という作品は、貝が空に浮かんでいるようなイメージがありました。『A子さんの恋人』の中でちょっと触れている、大江健三郎の『空の怪物アグイー』という小説の影響を受けている気がします。 これは《アニメーションのためのドローイング06、しみ》というタイトルが付いていて、その頃フルーツのしみで絵を描くのはどうかなと思ったりしていました。

(山田)エッセイを読んで、果物があまりお好きじゃないのかと思っていました。

(近藤さん)そうですね。食べるのはあまり好きじゃないんですけど、やはり「植物と人との交わり」というイメージから、興味があるものではあります。

(山田)これらのドローイングが描かれた2014年は…。

(近藤さん)多分『A子さんの恋人』の連載が始まっています。

(山田)『A子さんの恋人』と新しいアニメーションの構想を、同時進行で考えていらっしゃったんですね。

(近藤さん)そうなんですけど、『A子さんの恋人』で手一杯で、アニメーションの方は全く進まないままになっています。

(山田)《KiyaKiya》の時もスケッチをたくさん描きためて、そこから絵コンテを作るということだったので、今覚えていないとおっしゃっているけれども、これからこういったドローイングをたくさん描いていく段階なのですね。

(近藤さん)いつも作り終わったあとに、「作っていた時はこういうことが気になっていたのかな」と分かったりもするので、作った後にもうちょっとうまく話せるのかなという気がします。

 

(山田)夢の中で子どもを生むというのはすごく不思議な体験ですね。

(近藤さん)夢占いによると縁起が良いことのようです(笑)。夢の中で、私が突然子どもを生んで、それが女の子なんですよ。そして、私が架空の夫に向かって「この子には『窓乃』(まどの)という名前を付ける」と宣言するんです。「『外に向かって開かれた人になるように』という願いを込めて『窓』、『聡乃』から『乃』をとって『窓乃』、「マドノ」は「『ノマド』のアナグラムでもある」と夢の中で滔々と説明するんですよ(笑)。まだ結婚もしておらず、出産についても考えたことがなかったので、びっくりしましたね。アメリカに移住する前に見た夢です。

(山田)以前そのお話をしてくださった時、近藤さんは「名前しかない子どもだ」という言い方をされたんですよ。それが「からだのない子どもたち」という2001-2002年のアニメーション作品《電車かもしれない》のたまの歌詞と合致して驚きました。同じモチーフが間隔をあけて再浮上してくる近藤作品の流れを垣間見た瞬間でした。

(近藤さん)そうですね。ずっと何か気になっている何かなんでしょうね。

 

(山田)近藤さんの20年以上におよぶ制作を俯瞰すると、高校生の頃から現在に至るまで一貫したものを感じます。ノンジャンルで包括的な展覧会をしましょうとなった時に、近藤さんは「展覧会全体を大きな物語として捉えたい」とおっしゃったんです。そこで、展覧会の構成は、物語の章立てなんだなと思いました。ただし、当初から「年代順でなくていい」ということもおっしゃっていて。つまり、順序の入れ替え可能な物語であり、その都度様々に読み替え可能な物語を、作家活動全体を通して実践していらっしゃるのかなと思いました。制作のときに、その点を意識されていますか?

(近藤さん)いや、意識はしていないんですけど、卒業制作の《てんとう虫のおとむらい》が頓挫した経験から、間違えると進まなくなることはわかっているので、「慎重に勘で選ぶ」ようにしています。

(山田)それから、近藤さんの作品のほとんどに日付がきっちり入っていますよね。あの膨大な数の《KiyaKiya》のスケッチにも一枚一枚に、ほぼ日付が入っていました。『A子さんの恋人』1巻で、A子さんとA君が出会うシーンの背景に、河原温さんの《Today》シリーズが描かれていますが、日付は意識されているのでしょうか。

(近藤さん)意識はしてないのですが、自分にとって重要なことなのかもしれません。河原温さんの《Today》シリーズは、本では知っていたのですが、実際に観てハッとした経験があります。それ以来大好きな作品です。

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最後に設けた質疑応答のコーナーでは、興味深い質問がたくさんあがりました。以下にいくつか紹介いたします。

Q. おかっぱの女の子は、今後はもう出てこないのでしょうか。

(近藤さん)おかっぱの女の子は、今描いているエッセイマンガ『ニューヨークで考え中』で自画像として出てきます。多分それに置き換わってしまって、『ニューヨークで考え中』だけにずっと出てくるのかなという感じもしています。

(山田)『ニューヨークで考え中』はある意味、ドキュメンタリーではないんですね。近藤さんの髪型は、おかっぱじゃないですし。

(近藤さん)そうですよね。自画像でエッセイなので、そのまま、「あのキャラクターが私自身で、私の生活全て」みたいにも読めるんですけど、実際は描きたいことを選んで描いている訳で、作中の自画像は「私がこういうふうに見られたいという姿」だとも思うんですよね。そのせいかあのマンガを読んでくださった方から、すごく良い人だと思われていると感じることが多いです(会場笑)。『ニューヨークで考え中』ではずっとおかっぱの女の子を描くと言いましたが、キャラクターが私の年齢に見えないという問題に直面しています。今私は38でもうすぐ39になるので、キャラクターにもちょっとずつ年をとらせたいのですが、なかなか難しい。最近はアップの時とかに顔をたるませたりして工夫してるんです(笑)。

(山田)『ニューヨークで考え中』の連載は、ずっと続けていくのでしょうか。

(近藤さん)担当の編集さんと、お互いどちらかが死ぬまで頑張りましょうと言い合っているので、多分死んだら代表作になると思います(笑)。

(山田)『ニューヨークで考え中』を続けていく一方で、今『A子さんの恋人』に集中している時期だと思うんですけど。マンガが終われば、次はアニメーションを作って、絵画も描いてという流れを一つとすると、さらにその次のアニメーションはまだまだ先になりそうですね。

(近藤さん)そうですね。だから死ぬまでにあと何本アニメーション作れるんだろうと考えてしまいます。案外2本くらいなんじゃないかと思っています。思いがけずマンガの連載に6年近くかかっていて、それも全く予想外だったので。また何か予想外のことに取り組んだりもしそうですし。

 

Q. 『A子さんの恋人』を描いた理由は?

(近藤さん)「主人公の女の子が恋人に物を貸されてしまったせいで縁が切れない」というアイデアは随分前からあり、ラフを描いて、ずっと編集さんに預けていました。ただ、「今はまだ描けないような気がする」ということで、まず『うさぎのヨシオ』を描いたんです。『うさぎのヨシオ』の連載が終わって、編集さんが「では、そろそろこれはどうですか」ということになって、『A子さんの恋人』を描き始めました。

(山田)『A子さんの恋人』を読んだ時、この人も英子なんだと驚きました。おかっぱじゃないし、年齢も29歳。どんな理由があるんでしょうか。

(近藤さん)私はぎりぎり28の時に渡米して、行ってすぐに29になったんですけど。昔読んだ本で、人の人生は29で転機があるって。人生には一度しか転機がなくて、それが29で、29で良い転機を迎えられた人はその後の人生がうまくいくとその方はおっしゃっていました。「29でうまくいかなかった人はどうなるんですか」という質問に対しては、「来世まで待つしかない」と(笑)。それで主人公は29だなと思ったんですよ。

 

Q. 『A子さんの恋人』5巻で主人公以外のキャラクターの作家性や方向性も描かれていますが、なぜそうした要素を盛り込んだのでしょうか。美大出身で作家でもある近藤さん自身の経験を反映していますか。

(近藤さん)自分が作家になりたいと思って、実際に作家になって、作家の知り合いとかもできてみると、結構驚いたことは「あ、みんな全然私と似ていないんだな」ということでした。どこかで「私みたいな人が作家になる」と思い込んでいたので、それは割とショックだったんですよ。「あ、全然気が合わない人もいる!」と思って(笑)。作家と言ってもみんな違うような人が違うように作家になるんだなと気づきました。A子さんたちは美大出身ですが、それぞれ向き不向きがあって、それぞれの生き方を探しています。向いていることを見つけて仕事にできたら良いかもしれないけど、そうでなくても生活は続くし、別に美大を出たからってそれを仕事にしなくたっていいと思うんですよね。まだ描いていないのでなかなかうまく言えないですが、最後の巻にはそのあたりのことも描けたら良いです。

 

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本展会期は11月10日(日)まで。レポートを読んで展覧会をご覧いただくと、さらなる深い体験が味わえると思います。まだ展覧会を見ていない方はお早めに。併設ショップにも映像作品を展示しています。グッズと合わせてお見逃しなく!ご来場お待ちしています。

【展覧会ページ】
近藤聡乃展 呼ばれたことのない名前
Kondoh Akino Exhibition: Never Before Named

2019/10/12 − 11/10

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