状況の配列

ギャラリートーク

3/15に開催した前回の展覧会「状況の配列」のギャラリートークのレポートが大変遅くなってしまいました。申し訳ございません。

今回のギャラリートークは作品の中でお話しを聴くという試みで、大変狭く窮屈な思いをさせてしまいました。ご理解をいただきご参加いただいた皆さま、ありがとうございました

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お話しいただいたのは、現代芸術活動チーム目【め】の荒神明香さん(アーティスト)、南川憲ニさん(ディレクター)です。

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(以下はギャラリートークの内容を一部抜粋・編集したものです。)
南川さん
作品の前ではすべての人が鑑賞者で、鑑賞者の感性がないと作品は成り立たないと荒神とよく話しています。この作品は鑑賞者の心理がそのまま作品になるようなものなので、説明をしすぎると面白くなくなると思います。むしろ鑑賞者の中で発生することこそが作品で、「自分はこう思った」という感想を交換することが作品だと思っています。できれば直接感想を聞けたら嬉しいです。

この作品では、ギャラリーに入ったにも関わらず「ここはギャラリーではない」と感じるアプローチを考えていました。ギャラリーではないと感じた後に鏡に出会うようになっています。(註:インスタレーション内では段ボールや梱包材、木箱が並ぶ倉庫のような空間の中に鏡が設置されていました。)その鏡を見たときにギャラリーに展示物があるにも関わらず作品ではないと感じていたのは自分自身の記憶のせいだったと分かります。鏡は“ゲート”です。荒神が大事にしていることは、鑑賞者に家に帰っても同じような想像をしてもらうということです。自分の家の中にも何かあるのではないかと思ってもらうということを大事にして、“ゲート”を設置しました。

僕たちは1ヵ月の半分以上ミーティングをしていて1日12時間以上を色々シチュエーションを変えて話しています。この作品を作ったきっかけは色々ありますが、そのひとつに荒神の幼稚園のときの記憶があります。

荒神さん
幼稚園の体操の時間に屋上で体操をしていて仰向けになりました。それまでは普通にできていたのですが「自分の頭上にこんなにも広くて水色で広大な面積のものがあるのに、なぜ人間は地上に立って留まって地面にくっついていられるのだろう」と思い始めました。その途端、空を直視できなくなるくらい怖くなったという体験を話したところから始まりました。

南川さん
その話を聞いたときに作品の素材として重力を扱いたいと思いました。荒神が直感的に不確かだと思った記憶がこの作品の暗い部屋のシチュエーションに近いと思います。止まっているエスカレーターを歩く状況というのは、重力がずれる感覚があります。鑑賞者(体験者)が記憶で別の重力を作ってしまっているのです。それが鑑賞者の中に作品が発生するということに繋がっています。

ただ、 荒神の宇宙の感覚だけでそのまま作品にしてしまうとかなり抽象的なものになってしまう。それをどうやって既視感、観たことある風景に落とすかということを考えます。

荒神さん
幼稚園のときに空に落ちそうになった感覚に近いものがこの作品ではうまく表現されたと思っています。この作品のように梱包箱の中に宇宙のような空間が広がっていることが、本当にないとどうして言い切れるでしょうか。ちょっとした違いによって世界がまったく違う世界にみえることが日常生活で皆さんもどこかにあると思います。
自分が信じていることや自覚していることがどれだけ曖昧なことかということが、ひとつのきっかけとしてインスタレーションになったのだと思います。

 

大雪の影響で荷物の到着が遅れ開館時間の変更というハプニングもありましたが、たくさんの方にご来場いただき、驚きと感動の声をたくさんいただいた展覧会でした。無事に会期を終了することができました。ありがとうございました!
そして、4月7日(月)には写真家・新津保建秀氏と目のお二人によるトークショーが東京・六本木のIMA CONCEPT STOREにて開催されます。
「新津保建秀×荒神明香×南川憲二 「顕れる光」 -2014年3月13日、バルテュスの絵のことを考えながら、【目(め)】による「状況の配列」展を見に福岡へいってきました-」
今後の目【め】の活躍がたいへん楽しみですね。

【展覧会ページ】
状況の配列

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