藤森照信建築 と「鸛庵(こうのとりあん)」初日にはオープニングレセプションを開催しました。レセプションの模様をレポートします!
(右から)藤森照信、ローランド・ハーゲンバーグ(本展プロデューサー・ライディングプロジェクトの創案者)
(以下はレセプションでのご挨拶を一部抜粋・編集したものです。)
藤森照信
数えてみると九州での仕事は多くて、福岡で住宅をひとつ(「一本松ハウス」模型展示)、「熊本県立農業大学校学生寮」(写真展示)、大分県竹田市の温泉施設「ラムネ温泉館」(写真展示)です。意外とたくさんやったんだなぁという気がしています。というのも他ではほとんどやっていないんです。四国でも中国地方も北海道も東北もやっていません。だから関東圏、京都と九州だけなんです。そういう点で九州とは相性がいいという気がしております。展覧会としても地方都市で故郷以外ではここが初めてです。不思議な縁を感じております。
ローランド・ハーゲンバーグ
今日はお越しくださってありがとうございます。ご尽力いただいた皆さんありがとうございます。ライディングでのプロジェクトにサポート参加くださって藤森先生ありがとうございます。
こちらに模型を展示していますが、この模型はライディングと日本を3往復しています。展示することができて大変嬉しく思います。最も軽い模型を集めました。本来ならば中がしっかり詰まっているのですが、往復するということで藤森先生が考えて中をくり抜いて軽量化に努めました。この模型は建築家は家や建物を建てて終わりではなくて、人生の一部、また人生を織りなしていくということを象徴していると思います。
オーストリアと日本と距離的にはとても離れていますが、「鸛庵」はこの二つの国を繋ぐシンボルだと考えています。コウノトリは日本でもオーストリアでも子どもを運んでくれるというシンボルでもあります。また葦を使った藁葺き屋根は日本とオーストリアとの共通のものです。いわば「鸛庵」は日本とオーストリアを繋ぐシンボルだと言えます。
そしてコラボレーションということで、日本人の芸術家、工芸家の方も関わっております。入って二つ目の部屋はコラボレーション作品を展示しています。現地の子どもたちが描いた絵や、漆器(大町憲治さん)、書(西田眞理さん)、鸛の卵のようなランプ(清水丈雄さん)なども展示しています。
「鸛庵」はアーティストの工房として、またライディングは音楽でも有名ですので音楽家の別荘としての役割も果たしています。
▲レセプションには会場から溢れるほどたくさんのお客さまにご来場いただきました。ありがとうございました。
▲「鸛庵」の場所を教えてくださっています。
▲気さくにお話しやサインにも応じてくださいました。
そして、「鸛庵」に実際にお泊りになられた方が会場にお越しくださっていました。先週、戻られたばかりとのことで貴重なお話しをしていただきました。
大畑さん
私は長野県の茅野市に住んでいます。藤森先生のお生まれになった所に住んでいて、先生のおっかけみたいですね。それで「鸛庵」のことを聞いて藤森先生の作品に泊まれるならば是非行きたいと足を運びました。先週、2泊してきました。実際に泊まってみた感想は、中の空間の心地よさを感じました。ほんわりした空気が流れているような、炭のせいでしょうか、空気が良かったように感じました。 全体の感じも素晴らしくて、住民の方たちにも優しくしていただいて、良い体験が出来ました。
藤森照信
中には悪いものは全然ないですからね!
カーテンがないので朝が明るくてとても早いので僕は大丈夫でしたが、若い人には早すぎるかもしれません。小さな村で環境がとても良く、ヨーロッパの田舎そのものです。信じられないくらい古い生活が残っていて面白いです。農民の方が昔ながらの暮らしを続けているのはワインという産物のおかげだと思います。
【展覧会ページ】
藤森照信建築 と「鸛庵」