記憶のスキャン:袁廣鳴のビデオアート1992-2014

会場内ご紹介前編

現在開催中の「記憶のスキャン:袁廣鳴のビデオアート1992-2014」(〜10/5)のレポートです。2回に分けてお届けします。鑑賞の参考にぜひお読みください。

台湾をはじめ、国際的に高く評価されるアーティスト袁廣鳴(ユェン・グァンミン)の初期作品から2014年に制作された最新作までをご紹介するミニ・レトロスペクティブ(回顧展)となっております。

日常よくある光景で、動きは頭の中で想像がついているはず!ですが、こちらの映像作品を観るとその常識が覆されるような感覚になります。“当たり前”に思っていることが実は当たり前ではないのでは?という問いかけられているように感じる作品です。

《かざぐるま》2013年 ビデオ・インスタレーション  26秒 courtesy of Yuan Goang-ming

《かざぐるま》2013年
ビデオ・インスタレーション 26秒
courtesy of Yuan Goang-ming

 

「平面であるのにビデオ的要素が強い」(チラシより)作品。映画やTVなどで見かけるよくある繁華街の風景かと思って、よく見ると1人も人がいません。賑やかであるはずなのに、寂しい気持ちなってしまうような違和感を感じずにはいられない不思議な感覚になります。2003年にベネツィアビエンナーレの台湾館に展示された代表作のひとつです。

《都市失格̶西門町(夜)》2002年 デジタル加工写真 印画紙  courtesy of Yuan Goang-ming

《都市失格ー西門町(夜)》2002年
デジタル加工写真 印画紙
courtesy of Yuan Goang-ming

 

注意深く見ているとだんだんと消えてゆく葉脈。美しいのに何だか違和感を感じてしまいます。「葉脈が徐々に抜き取られ、個別性や生命感が奪われた気味の悪さは、グローバル化の中で人や自然が均質化されてゆく現代への警鐘ともなっている。」(チラシより)

《消えゆく風景̶葉である理由》2007 年 動態デジタル・イメージ 9 分courtesy of Yuan Goang-ming

《消えゆく風景ー葉である理由》2007 年 動態デジタル・イメージ 9 分courtesy of Yuan Goang-ming

 

覚えている方もいらっしゃるかもしれません。アルティアムで過去に2回展示された作品です。最近話題のプロジェクションマッピングですが、制作された当初は床に投影することや映像とオブジェを組み合わせる手法がまだ珍しく、大きな話題となった作品です。白い皿の中で泳ぐ一匹の赤い金魚は、自由に見えて自由ではない自分自身を表現しているそうです。

IMG_3381《フィッシュ・オン・ディッシュ》1992 年
ビデオ・プロジェクション・インスタレーション
(アルティアム会場内撮影)

 

後編に続きます。お楽しみに!

【展覧会ページ】
記憶のスキャン:袁廣鳴のビデオアート1992-2014
Scanning Memories: Yuan Goang-ming's Video Art 1992- 2014

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