3月21日に開催した関連イベント「朗読とスライドの会」のレポートをお届けします!
川島小鳥さんの写真のスライドに谷川俊太郎さんが詩を朗読するという特別なイベントに予約が殺到しました。受付開始から早い段階で定員に達してしまいました。たくさんのお問い合わせをいただき、ありがとうございました。
50歳の年の差を感じさせない(!?)息がぴったりのお二人のやり取りに、会場中が終始笑いに包まれた楽しい楽しいイベントになりました。すべてをご紹介できないのが残念ですが、少しでも伝わりますように。。
(谷川俊太郎さん(以下:T)と川島小鳥さん(以下:K)のお話しを一部抜粋・編集したものです。)
T なんで写真にきたわけ?子どもの頃、写真機買ってもらったのいつ?
K 高校生のときで、はじめは映画監督になりたかったんです。
T そっちなんだね。映画は動くけどなんで止まるのになっちゃったの?
K 映画をやろうとしたら、共同作業な部分が多かったから、指示とかできないからすぐに挫折しました。写真は一人でできるので、対象は必要ですけれど。それでそのまま写真にいってしまいました。
T 詩と似ていますね。僕も一時期映画が撮りたかったんですよ。映画はあれだけたくさんの人数がいて、監督は指示しないといけないからね。あれはキツいですよね。
さて、小鳥さんの話を聞いたことがある人は?手を挙げて?え?一人もいないの?じゃあ初めから説明しないといけないんだ。
▲「小鳥さんの話を聞いたことがある人は?」会場を確認中の谷川さん。
K では。1980年生まれ…
T えええ!?(大きな驚きに会場笑い)本当に!?
俺1931年だからいくつ違うの??ほとんど50歳違うんじゃないの!?ずるいじゃん!早くから有名になっちゃって!80年代の生まれか…。いままでそんなこと意識してなかったからね。
K 写真は高校生の頃から始めて、大学はフランス文学を勉強していました。
T えええ!?じゃあフランス語しゃべれるの?
K ちょっとだけです。全然優秀じゃないというか、写真のほうが好きだったので、一応授業に出ている風にはしていましたけれど、文学は難しいので、トリュフォーの映画とかを観ていました。
T それで、写真に切り替えたと。でも最初は売れなかったでしょう?どうしたの、恋人かなんかに貢がれていたわけ?
K いえ、荻窪の写真屋でバイトをしていました。
T ええ〜!?うちの近くじゃん!
K もうつぶれてしまったんですが、街のラボみたいな感じで1時間でフィルム現像するお店でした。そこで暇な時間に勝手に自分の写真を現像していました。
T そのころは写真を撮ったらどうしてたんですか。アルバムに貼ったり?
K そのころは全然整理もしていないし、人に見せる勇気というか、見せる気がなくて、フィルムは現像したまま。本格的なレンズで撮っていた訳ではなくてごちゃっとなっていて、バイトを始めてから、全部のネガをプリントしなおしていたんです。そうしたら意外とちゃんと撮れていたと思って。それを一冊にまとめたのが賞を取って、それが『BABY BABY』という写真集です。
T 今でも手に入るの?
K はい。併設のショップでも販売しています。
T もう映画は諦めちゃったの?でもこれだけ写真を撮れたら、今度は動くものを撮りたいとかって思わない?
K あ、思いますね。
T この前うちで何か撮ったんでしょう?それ見せてほしいよ。あ、今日見れるの?
K はい。『おやすみ神たち』のCMを撮りたいって編集者の方から言われて、8ミリカメラを友だちに借りて谷川さんを撮りました。それを今日見ていただけます。
T これを見ながら詩を読むって言ってたっけ?でも俺も見たいもん。じゃあ1個だけ詩読もう。リクエストしてくれたらそれを読むけど。
【川島さんが選んだ『私は王様』を朗読】
▲会場内に展示されている詩
K この作品集は“たましい”をテーマにしていて・・・
T 結果的にね。初めっからそういうつもりではなかったんだけど。小鳥さんの写真を見ているうちになんとなくそういうのが浮かんで来たんですね。
K 結構良い本ができましたよね。
T はい、ありがとうございます。
まだまだつづきます。お楽しみに。
【展覧会ページ】
川島小鳥+谷川俊太郎|おやすみ神たち