東欧アニメーションの世界

フクオカ × アニメーション スペシャルトーク vol.2 レポート前編

6月26日(金)に関連イベント「フクオカ × アニメーション スペシャルトーク vol.2」を開催しました。happyproject田上キミノリさんをゲストに、田上さんの母校でもあるデジタルハリウッド福岡校の高橋政俊校長を聞き手としてお話を伺いました。2回に分けて、作品上映&トークの様子をお届けします。

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写真)左からhappyproject・田上キミノリさん、デジタルハリウッド福岡校・高橋政俊校長
(以下はトークの内容を一部抜粋・編集したものです)

(高橋さん)「パパンがパンダ!」は、うちの子どもも大好きでYoutubeで流れ始めた時、ちょっと見せてみたら、もうずーっと真似してリピートしてましたよ。そして幼稚園でそれをやると見たことない子たちもそれを真似してやる。それが伝染していく感じでしたね。

(田上さん)この作品のきっかけが子供なんです。
最初の子が男の子なんですが、僕がおむつを換えるついでに赤ちゃん体操って手足を持って関節をまげたりのばしたり動かすんですが、普通にやってもオモシロくないので「あたま、おっぱい おへそ飛んで ちーん!」ってずっとやってたんですよ、笑いながら。それを嫁が真似し始めて、実家に帰って甥っ子の前でやったら、甥っ子が真似し始めて、通っている幼稚園でもバズりまして(笑)。
それを聞いて、アニメーションにしたら面白いんじゃないかって作ったのが「パパンがパンダ!」。

《パパンがパンダ!》

(田上さん)今ミクチャ(MixChannel)って女子中高生に人気のアプリがあって、映像をアップするアプリがなんですけど、女子高生が「パパンがパンダ!」の真似してやってくれているようです。

(高橋さん)Youtubeでも「踊ってみた」系で上がってますよね。結構真似してる女の子いますよね。外国の女の子が踊ってるのも見たことありますね。すごいですよね。そういう意味では色んなところで展開されてる。

(田上さん)そういう風なひろがりを、ビジネスにどうつなげていくか?
っていうのはこれからなんですが、徐々に広がっている感じを最近とても実感します。

(高橋さん)でも、元々は自分たちのオリジナルコンテンツとして始まったものが、だんだん広がって、タツノコプロさんとのコラボや、岡山トヨペットさんのCM利用も始まってるわけですよね。徐々に広がって、この後どうなるか気になりますが。

(田上さん)いま台湾で今年の秋に向けて商品化が進んでおりまして。

(高橋さん)海外ではやっぱり評価のされ方が違うんですか?

(田上さん)パパンがパンダに関しては、やっぱりアジアに受けがいいようです。
今年の1月に開催された香港国際ライセンシングショー(キャラクターを紹介する展示会)に出展したんですが、それがきっかけで台湾での展開に結びつきました。

(高橋さん)それはパンダっていうモチーフがアジアでは受けやすいっていうこと?

(田上さん)ローカライズしていないままでしたので言葉は分からないと思うんですけど
音楽やキャラクターの表情、動きで面白さは伝わっているようですね(笑)

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(高橋さん)KBCの「アサデス」では「パパンがパンダ!」が大体6:30から放送されてますけど、うちの子どもたちは大好きで。はじまると寝てるところから一気に飛び起きるんですよね。音が聞こえるとバーって起きてきて。これを目的に早起きしてくれてるんですよね。グズグズせずに飛び起きて、これ見て起きたら学校行く準備。世の中のママさんたち結構これ使ってるんじゃないかと思う。
こういう感じで最初の自主制作から始まったのが、テレビで活躍の場を広げていって、キャラクターとしても海外にも展開していっているんですね。

《フルーティ侍》

(高橋さん)「フルーティ侍」は「パパンがパンダ!」の前に発表されたものでしょうか?

(田上さん)そうですね。2009年に作ったものです。この作品も自主制作ですが、国内外の賞を複数いただいたりしてます。

(高橋さん)この作風自体が先ほどのパンダとは随分違うんですけど、きっかけはどういうところにあったんですか?

(田上さん)アニメーションとして殺陣をやりたいっていうのがずっと有ったんです。
ちょうど、仕事が一段落したタイミングで新作を久々作ろう!となりまして
キャラクターは、ずっと前にお仕事のコンテの隅にラクガキで描いたりんごの侍が残ってたのを思い出して採用したんです。

(高橋さん)落書きから生まれたキャラクターなんだ!

(田上さん)そうなんです。意外と何も考えていないラクガキからキャラクターが生まれることが多いですね。自分で描いたキャラクターなんですが、面白くてプッと吹いてしまうようなキャラはストックしておくようにしているんです(笑)/span>

(高橋さん)そもそも主人公は青りんごと赤りんごどっちなんですか?

(田上さん)最初は赤りんご!と思って制作してたんですが、やってるうちにですね、どんどん青りんごが魅力的になりまして(笑)3話目では完全に青りんごが主役のように・・・(笑)
ルパン三世って魅力的なんですけど、次元も五右衛門も魅力的ですよね。
そういう、あえて主人公がメインって必要はないんじゃないかと。赤りんごの彼はすごくまじめな“侍”なんです。ふざけている訳じゃないけど結果オモシロイ青りんごやバナナらが周りにいて、そいつらが笑わせてくれる。赤りんご自体はまじめな侍であった方が、色々オモシロくできるんじゃないかなっていうのがありまして、結果、今のような感じに(笑)
今はCS放送のキッズステーションと時代劇専門チャンネルで放送されています。時代劇チャンネルで放送されたときは本当にうれしかったですね、この作品が時代劇として認定されたようで(笑)

《フルーティ侍 第3話》

(高橋さん)1話の最初のチャンバラのシーンなんかはリアルですよね。結構研究されたんですか?

(田上さん)ふつう刀の触り方なんか知らないじゃないですか。ですので水戸黄門に始まり、七人の侍とか座頭市などいろんな時代劇をみながら制作していました。それでもやはりミスがありまして・・・刀を帯刀しているときの刃の向きって上か下か知ってますか?時代によって向きが違うんです。これ(フルーティ侍)の設定は江戸時代のイメージなんですが、江戸時代は刃を上に向けて帯刀していたんですね。そういう事も知らなくって・・・
YotubeにUPして間もなくその辺に詳しい視聴者に注意されるっていう(笑)
と、そういうことも有りまして、実は今、柳生新影流という福岡の武道館で居合いをずっと勉強しています。まだまだこれからの初心者ですが(笑)

(高橋さん)これを作った後に居合いを始められたと。

(田上さん)そうです。色んな人に注意されるもんだから(笑)

(高橋さん)まぁでもそれで本当に始めようってやるのがすごいですよね。突っ込まれたらもっとちゃんと知ろうと、体で覚えようと。じゃあもう今は段位も取られてるんですよね。

(田上さん)まだ初段です(笑)

(高橋さん)続編はホント楽しみですね。居合いの動きが活きてくるのか。

(田上さん)次作にはしっかり活かせると思っています。でも、それと面白いとは別問題ですからね。しっかりした殺陣で、最高のコメディーを目指します。

先々週、ラスベガスのライセンシングショーに行っていたんですけど、呼び込み要員として柳生新影流の道着を着て、フルーティのヅラかぶって稽古やってきました(笑)

パパンがパンダは台湾やアジアへ、フルーティ侍は欧米に出て行ってもらえたらうれしいな、と。プライベートで海外旅行はあまり行かないんで、お仕事で行けるのが理想です(笑)

(高橋さん)そう考えるとパンダはアジア、侍は欧米ってツボをついてますよね。偶然?最初から計算してた訳じゃないですよね。

(田上さん)2作品のポジショニングは結果、偶然ですが(笑)
「フルーティ侍」に関しては海外展開を意識していたので
出来るだけしゃべらせないっていうのは初めからきめてました。しゃべらせないことでローカライズする必要もなくなるし。
動きでわかる笑いって、基本的には世界共通だと勝手におもっているんです。
セリフまわしで面白いアニメーションって日本で多いと思うんですけど、ローカライズするのってすごく難しんじゃないかって思うんです。ことばでの笑いって、その地域の文化や言語を踏まえての笑いのような気がして。そもそもセリフまわしの企画が苦手なんですが(笑)。

やっぱり、動きで笑わせる作品が僕自身、すごく好きなんですね。
制作面だけで考えると、ものすごく手間がすごいかかるんですが。

後編もお楽しみに!

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