クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム―

会場レポート

会期も残り一週間となりました。今回は会場内の様子をご紹介します。関連イベントとしておこなった神奈川県立近代美術館学芸員の籾山昌夫さんの講演会レポート(12)に展示作品についても詳しいお話がありますので、合わせてお読みください。

◆デコール(模型)
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「デコール」とは、簡単にお伝えすると、クエイ兄弟が考えた「模型」を表す言葉です。実際に映像作品に使用されたパペットや背景のセットなどを、クエイ兄弟がデコールとして再構成した作品8点を展示しています。近くで見ると、細かい部分まで緻密に作られていることが分かります。これらを少しずつ動かしながら、膨大な枚数一コマずつ繰り返し撮影し、短編作品が作られています。クエイ兄弟ファンはもちろん、今回初めて映像作品をご覧になる方にとっても、映像に登場するパペットやセットの実物がそこにあるという喜びを味わうことのできる展示作品です。腕や頭が動くよう作られたパペットの細部や、風合いのあるセットなどを間近でご覧くださいね。

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◆ポーランド・ポスター
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この5点のみ、クエイ兄弟の作品ではなく、クエイ兄弟が影響を受けた作品として展示をしています。学生時にポーランド・ポスターの展覧会を見て、ヨーロッパの文化に興味を持つようになったクエイ兄弟。本展のために、神奈川県立近代美術館収蔵のポーランド・ポスターの中から、クエイ兄弟自ら選んだポスターです。

◆学生時代のイラストレーションや挿絵
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カフカの短編やヤナーチェクの音楽からインスピレーションを受けて制作した学生時代のイラストや版画作品や、挿絵16点を展示しています。クエイ兄弟の映像以外の作品を見ることのできる貴重な機会となっています。

◆黒の素描
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1970年代に鉛筆で描かれたドローイングです。細部まで真っ黒に描き込まれています。初期の短編映画に同じモチーフが出てくるなど、のちの作品に繋がる作品群です。

◆代表作のダイジェスト上映

『イーゴリ―パリでプレイエルが仕事場を提供していた頃』1982年

『イーゴリ―パリでプレイエルが仕事場を提供していた頃』1982年

1980~2000年代まで代表作7作品からダイジェストとして15分にまとめたものを常時ループ上映しています。全編をご覧になりたい方は、土・日・祝日18:30~日替わりで3プログラムに分けて開催中の上映会(A・Bプログラム特別上映会)に足をお運びくださいませ。ショップでは短編作品集のブルーレイディスクも会期中のみ販売しています!

本展は6月から東京・松濤美術館での巡回展も決まっています。この機会に、ぜひクエイ兄弟の他に類を見ない世界観を会場でお楽しみください。

【展覧会ページ】
クエイ兄弟 ―ファントム・ミュージアム―

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