密やかな部屋 ―きらめく昆虫標本―

おしえて!丸山先生 Q&A紹介

会場に設置している質問BOXに、ご来場の皆さまからたくさんの質問をいただきました。その中からいくつかの質問に丸山宗利さんにお答えいただきました!青い文字が丸山先生からの回答です。ぜひお読みください♪
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・けむしはどうしてさわったらかゆくなるの?(りゅうせいくん 6才)
実は触るとかゆくなるようなケムシはあまりいません。福岡だったらドクガやイラガのなかまなどの一部だけです。ドクガのなかまの幼虫は毒針毛といって、毛に毒があります。イラガのなかまの幼虫は体の突起に注射器のような毒針があります。

 

・福岡でツノゼミを見つけたいです。どの辺にいますか?(千裕さん 小4)
いちばんよく見つかるのは、ただの「ツノゼミ」です。夏の暑い時期(7月~8月)に高い山(できれば1000m以上)に行くと、あちこちの木の枝先についていますので、探して見てください。私は英彦山と脊振山でたくさん見ました。

展示中のツノゼミの一部

展示中のツノゼミの一部

 

・ミイデラゴミムシのガスは100度位なのに、なぜゴミムシは耐えられるのですか?
お腹に2種類の液体が入った袋(ヒドロキノンと過酸化水素)が別々にあって、それがお腹の先端で混ぜ合わさることによって、100度のおならになります。お腹のなかに100度の液体があるわけではありませんが、混ぜ合わせる先端部分は頑丈にできています。

 

・テナガカミキリムシはどうして手が長いのですか?
カブトムシが角を使うように、メスをめぐってオス同士で戦うためです。メスの手はそんなに長くありません。テナガオサゾウムシも同様です。

 

・バイオリンムシはどうして平べったいんですか?
サルノコシカケというキノコに住んでいて、その隙間に入り込んでいるので、ひらべったいのです。

会場内に展示中のバイオリンムシ

会場内に展示中のバイオリンムシ

 

・ゾウムシはどうしてゾウムシってゆうの?(ゆきたくん 6才)
口が長く伸びていて、それがゾウの鼻のようだからです。先端に口があって、植物に穴をあけて、そこを食べたり、卵を産んだりします。

 

・ちょうちょうは花の蜜を吸うだけであんなに大きくなるんですか?
チョウ(成虫)になったらもう大きくなりません。イモムシ(幼虫)のときに食べた葉っぱの栄養で大きくなります。蜜は卵を産んだり、交尾したりするための栄養です。

 

・どうしてオスが見た目が良い昆虫や動物が多いのですか?(由加さん)
いろんな理由がありますが、メスをめぐって戦うための武器だったり(クワガタのおおあご)や、オス同士でなわばりあらそいや同種認識するための模様(チョウ)だったりします。

 

・昆虫のどんなところに惹かれますか?
多様性ですね。とにかくたくさんの種数が存在し、無限に新しい出会いがあるところ。

 

・蝶と蛾の違いを教えてください。
蝶は蛾のなかまです。つまり蝶は蛾に含まれます。蛾のなかでも、昼間に活動し、触角の先がマッチ棒のようになっているのが蝶だと思えばだいたい間違いありません。ただ、例外もあってややこしいです。

会場入口に展示しているニシキオオツバメガは「世界で最も美しい蛾」と言われているそうです

入口に展示しているニシキオオツバメガは「世界で最も美しい蛾」と言われているそう

 

・標本は時間が経つと色落ちしたり型が崩れたりしないのでしょうか?
光に当てるとどうしても劣化(色落ち)します。とくにチョウの標本がダメになりやすいです。ですのでこの展示では光を暗めにしています。甲虫は100年くらいは変化なく保存できます。湿度と害虫にも気を付ける必要があります。

 

・ゴキブリは進化しているのですか?
原始的といわれるゴキブリでも、日々進化しています。近年では殺虫剤が効きにくくなっているものもいて、これも一種の進化です。

 

・人間と昆虫の関係は一番どうあるべきでしょう?
昆虫がいないと地球の生態系は成り立ちません。嫌いなのは仕方ないとしても、地球のなかまとしてその存在を尊重し、共に生きていかなくてはなりません。

 

・なんで日本の虫は地味で外国の虫はキラキラなんですか?(のぶさん 34才)
日本にもキラキラの虫がいます。熱帯は日差しが強いので、きわだってキラキラしたものがいたりしますが、地味な虫もたくさんいます。ここではきれいな虫を偏って展示しているにすぎません。

 

・モルフォチョウの仲間は標本の体(下半分)がないものが多いのですがなぜですか?
体から脂が出やすく、腹部があると、油が滲んで、翅が真っ黒になってしまうからです。現地の採集者が捨ててしまうのですが、標本としては残念なことです。

 

・何故昆虫を接写しようと思われたのでしょうか?とても美しく斬新だと思いました。(美沙さん 大学生)
肉眼では見えない構造をお見せすることによって、昆虫にはまた別の世界があることをお見せしたかったからです。

「深度合成写真撮影法」による昆虫写真

「深度合成写真撮影法」による昆虫写真

 

・ヘラクレスオオカブトの立派な角の下にあるふさふさしているものは何のためにあるのですか?(たけまささん)
オス同士でケンカするとき、相手を挟んで投げ飛ばすのですが、その際に滑り止めの役割を果たします。

 

・蝶の羽は、何の素材(物質)で出来ているのですか?見れば見るほどシルクにしか見えません。(ひろみさん)
カニの甲羅と同じような成分で、そこに生えている細かい毛が板状になっていて、タイルのように模様を作り出しています。

 

・深度合成写真にあるところどころツンツンとした触覚のようなものは何でしょう?蝶以外の虫にはだいたいありました。
毛です。昆虫の体にはいろいろな種類の毛が生えています。模様を作るための毛であったり、根元に神経があって、感覚器官となっていたり、その役割や構造はさまざまです。

 

・日本では昆虫食は一般的ではありませんが、先生は昆虫を食べることはあるのでしょうか、あればおいしい昆虫とオススメの調理法を教えてください。昆虫は栄養があるのでしょうか?
あまり食べたことはないのですが、コオロギはおいしいです。あと、タガメはかんきつ系の香りがするカニのようで、なかなか美味しいものでした。

 

・オオツノハナムグリの仲間で展示されていたモノたちは同じ種類なのでしょうか?背中の黒い部分と白い筋、ワレメの差が随分あるのですが違う種類だからですか?個体差なのですか?不思議です。(月さん)
だいたい1種につき数箱で、箱が違えば別種です。地域によって別の種にわかれていたり、同じ場所のものでも個体によって大きな模様の変異があったりします。

 

・タガメについて教えてください。以前沢山タガメを飼っていました。餌はオタマジャクシをあげるグループ、メダカをあげるグループがいました。いづれのグループも餌をたくさん食べた後死んでいまいました。多分満腹になるまで餌を食べたと思います。(タガメのお腹が膨らんでいました)なぜ死んだのでしょうか?
食べ過ぎで温度が下がると消化できなかったり、場合によっては食べ過ぎで消化不良になってしまうこともあります。あと、たくさん糞をすることによって水が汚れ、水面に膜がはって、うまく呼吸できずに死んでしまうこともあります。1回あげたら数日から1週間はなにもあげなくていいです。

 

・バイオミメティクスについて興味があります。甲虫類の羽の折りたたみ構造は明らかになっているのでしょうか?甲虫の種類によって違うのですか?何かの製品に応用されていますか?具体的に知りたいです。
最近ではハネカクシとテントウムシで明らかになっていますので、以下のページを見てみてください。ハネカクシの研究では私も協力しています。
ハネカクシ
テントウムシ

 

・30年位前子どもの頃、アオオサムシを手にのせたとたん、おしりから白いガスを噴射されました。目の周りがピリピリして刺激臭がしました。あのガスは何ですか?身を守る方法ですが、体の中で化学変化を起こしたりいているのでしょうか?
オサムシの出す物質は、メタクリル酸が主成分で、非常に強烈な匂いと腐食作用があります。体内にある袋から直接噴射します。目に入ったりすると大変で、皮膚の柔らかい部分につくとやけどようになります。

 

・細かい作業の連続だと思いますが、昆虫に夢虫になりすぎてずっと同じ大勢のままでいると、体中が痛くなったり動かなくなったりしませんか?何かいい対処方法があったら教えてください。(昆虫好きの主婦さん 44才)
なります。肩が凝ったりします。そうなったら山に出かけます。

 

・昆虫の擬態という現象が不思議でなりません。そのメカニズムは解明されているのでしょうか?(敏行さん)
突然変異が生じ、そのなかでたまたま生存に有利なものが生き残っていき、その積み重ねで植物に似たり、毒のあるものに似たり進化していきます。虫が「よしこうなろう」と思ってなるものではなく、膨大な時間をかけた進化の賜物です。

 

以上、いかがでしたか?丸山先生は『昆虫こわい』、『きらめく甲虫』(幻冬舎)、『昆虫はすごい』(光文社新書)など著書も多数あります。この機会にお読みいただくと、より昆虫に興味を持っていただけるのでは♪
ご協力いただいた丸山先生、本当にありがとうございました!

【展覧会ページ】
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