トンコハウス展

堤大介監督 in 福岡 レポート

8/3(金)にトンコハウスの総監督である堤大介さんをお招きし、特別上映会+トークを開催しました。堤監督の滞在中は連日、会場内でサイン会やライブペインティングをおこないました。監督が滞在した3日間をまとめてレポートします!

特別上映会+トーク
アメリカから堤監督が来日し開催する貴重なイベントということで、遠方からもたくさんの方にお越しいただきました。特別上映会で上映されたのは、オープニングイベントで来日したエリック・オー監督によるシリーズ作『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』。当日は、劇場版として編集された全10話をまとめてご覧いただきました。堤さんとロバートさんお二人の総監督、そしてエリック監督によってつくられた本作。時に可笑しく、時に切ない展開に、会場は笑いと涙に包まれました。
(以下は、特別上映会後のトークを一部抜粋・編集したものです。)

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ー福岡での開催について

(堤大介監督)僕はピクサーに在籍していた頃、日本全国を『トイ・ストーリー3』のPRツアーで回ったんですが、一番大好きだった街がここ福岡です。食べ物も美味しいし、街の雰囲気もすごくエネルギーがあって。やっとまた戻ってくることができて、そして福岡でトンコハウス展をできて、本当にうれしいです。

トンコハウス展は、2年前に銀座・クリエイションギャラリーG8で、去年は石巻の石ノ森萬画館で、そして今回アルティアムでやらせていただきました。僕たちはまだ作品の数も少ないですし、普通、展覧会というのは大きな作品をつくって、そのあとに発表するのが普通だと思います。ただ、トンコハウスを立ち上げて、苦労と大変な思いもしながら、みんなで作り上げる楽しさをシェアしたいという気持ちがあるんです。僕らが展覧会でやっていることは、今こうして制作途中のものも含めて、制作の過程からみんなと共有していこうというところから来ています。なので、制作途中の作品も含めてトンコハウス展では展示をしています。イムズプラザの「ようこそ!トンコタウン!」も含めて、ワクワクする気持ちで福岡にやってきました。

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ートンコハウスのはじまり

(堤監督)トンコハウスを始めて、4年が経ちます。すごく小さなグループです。原点となる『ダム・キーパー』という18分の短編映画は、僕とロバートがまだピクサーにいた時に、自主制作として、休みの日や早朝、夜に集まって9ヶ月かけて作った作品です。それが良い形でいろんなところで評価を得て、アカデミー賞にノミネートされるという幸運がありました。ピクサーというすべてが整った環境で、夢のような仕事をさせていただいていたんですけど、その時、この自主制作の経験を通じて、新しいことに挑戦したいという気持ちになりました。自分自身になにかを課すとすれば、これ以上待ってはいけないと。

僕はこの時に2歳になる子どもがいましたし、ロバートも結婚したばかりの時でした。二人とも家のローンも抱えていて、普通で言ったら一番最悪な時期にピクサーを辞めて、トンコハウスという会社をつくりました。

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ー映像だけにとどまらないクリエーション

(堤監督)僕らは映像だけでなく、本もつくります。アルティアムの併設ショップでも、「グラフィック・ノベル」と呼ばれる本を販売しています。グラフィック・ノベルは、漫画と絵本を足して二で割ったような日本にはないタイプの作品です。『ダム・キーパー』の長編の構想があって、その原作となるストーリーを、3冊のグラフィック・ノベルとしてつくっています。これまでのストーリーとは違って、ピッグとフォックスがもう少し大人になった時に、ダムの外にピッグのお父さんを探しに行くというお話です。

トンコハウスは、手描きアニメーションもCGアニメーションもやりますし、お話がつくれて、絵が描けて、世界観やキャラクターがつくれる人がいるんだから、いろんなことをやっていこうよという態度で活動をしています。

 

ー福岡出身の中村俊博さんについて

(堤監督)今日上映したシリーズ作品『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』で、エリックの右腕のような存在だったのが、トンコハウスにいる中村俊博なんですね。地元が福岡で、アメリカに留学して、初期の頃からトンコハウスにいて、短編の『ダム・キーパー』の時から活躍しています。今回福岡で展覧会をやらせていただけて、とても喜んでいました。8/18(土)にアメリカから彼がやってきます。その時には僕と同じように、ギャラリーの壁に落書きもするので、ぜひ皆さん会いに来てください!

トークの最後に質疑応答コーナーを設けました。

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(来場者)今まで作品をつくるなかで、伝えたいと思っていることを作品で伝えられなかったらどうしようというようなことを思ったことはありますか。

(堤監督)すごくあります。作品って結局自分自身だと思うんですよね。日常でも、自身が信じていることや、こんな自分でいたいと思うことを、周りが理解してくれないことってありますよね。それと同じで、それは苦しいですよね。でも、作品は自分の手を離れたらいろんなことを言われるわけです。辛辣なことを言われたこともあります。それはクリエーターの宿命というか、そのリスクは負ってつくるという覚悟はあります。

僕らが心がけているのは、客観的な目で意見を言ってくれる人を側に置くことです。僕とロバートは常にペアで、どちらかが客観的な立場をとる。伝わっているのかいないのか、遠慮をしないで正直に言ってあげる。そういう存在を自分の周りにつくるというのが大事だと思います。

 

サイン会&ライブペインティング
特別上映会+トークイベント翌日、急遽、堤監督によるサイン会をおこないました。前日のお知らせにも関わらず、たくさんの方にお集まりいただきました。サインと一緒に描かれるイラストは一つ一つ違っていて、並ばれた皆さまもとても喜ばれていました。

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また、福岡滞在中の合間を縫って、会場入り口に堤監督が絵を描いてくれました!

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たくさんのオーディエンスに見守られながら、どんどん描き進めていく堤監督。

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ほぼ日のプロジェクト「ENOMONO」でトンコハウスと一緒に制作をしている京都在住の画家・junaida(ジュナイダ)さんも飛び入り参加してくださいました。ENOMONOやjunaidaさんのグッズも、会期中、併設ショップで販売していますよ♪

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ご来場の際は、お二人の合作をぜひ近くでご覧ください!ダム・キーパーのキャラクターやjunaidaさんの小人など、見ているといろんな発見があります♪
堤さんがトーク中に触れていた中村俊博さんのライブペインティングは、8/18(土)17時〜アルティアムでおこないます!8/25(土)14時〜は、トンコハウスの長砂賀洋さんによるギャラリーツアーも決定しました!最終日9/2(日)には追加の上映会も♪たくさんのご来場、お待ちしております。

【展覧会ページ】
トンコハウス展
「ダム・キーパー」の旅

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