小さなデザイン 駒形克己展

会場レポート

本展は6/21(日)まで会期を延長し開催しています。ご来場が可能な方は、実際に作品をご覧いただきたいですが、なかには難しい方もいらっしゃるかと思います。休業中にSNSで紹介した内容を、会場レポートとしてまとめて公開します。主な章ごとに分けてお届けします。

第1章     ロス・N.Y.

ここでは、駒形さんが20代前半に渡米しロサンゼルスやニューヨークで活動した6年半の間に作られた初期の作品を展示しています。
IMG_8856

タバコのパッケージデザイン案はすべてコンピューターを使わない手仕事によるもの。パソコンで簡単に編集が可能な今と比べて、膨大な作業量がうかがえます。
IMG_8858
ほかにもNBAのオールスターゲームの案内状など、アメリカ・CBSやシェクターグループで活動した当時の仕事、若手のグラフィックデザイナーとして制作した実験的な試作をご覧いただける部屋となっています。「人種のるつぼニューヨークでは、いろんな人や言語、価値観が混在していて、ことば以上に視覚的な手法による問題解決が、デザインの力として求められていました。」と駒形さんは語っています。
IMG_8862

 

第2章     グラフィックデザインの仕事

アメリカから帰国後、駒形さんはミュージシャンのレコードジャケットやファッションブランドのロゴなど、数多くの企業のためにグラフィックデザインを手掛けました。
IMG_8866
なかには、ZUCCaのロゴマークやコムデギャルソンの案内状、ブランドタグなど、駒形さんによるデザインだと知らず、何気なく目にしていたものもあるかもしれません。
IMG_8869
多岐に渡る仕事は、ここ福岡でも。さまざまな動物が登場する九州大学病院小児医療センターの環境デザインや、ロゴデザイン、選書など館全体のプロデュースにも携わった「絵本と図鑑の親子ライブラリー ビブリオ」など、主に子どものための仕事を身近な場所でも目にすることができます。

九州大学病院小児医療センター

九州大学病院小児医療センター

 

 

第3章     絵本の仕事/第4章 ワークショップ

駒形さんは、89年に娘が生まれたことをきっかけに、絵本を作り始めます。自身が立ち上げたワンストロークの代表作でもある絵本『Little Eyes』シリーズ。
IMG_8879
これまでに10巻刊行された本シリーズは、現在も入手可能な絵本ですが、試作・スケッチなど、カードの形をした新しいタイプの絵本がどのように生まれたか、試行錯誤しながら完成に至るプロセスをご覧いただけるのは、展覧会ならではです。
IMG_8878

次の「4章 ワークショップ」は、世界をまたにかけ様々な場所で活動をおこなう駒形さんのワークショップについて紹介しています。ワークショップは、駒形さんが最も好きな活動のひとつだそうです。常時上映するのは、駒形さんの手話絵本の制作過程に密着したドキュメンタリー番組です。
IMG_8899

 

インスタレーション

最後の部屋では、駒形さんの絵本のインスタレーション展示や、これまで手掛けた絵本の年表を展示しています。駒形さんがワンストロークや出版社から刊行した本は約30年で60冊超。
IMG_8930
代表作『Little Tree』は、小さく芽吹いた葉が、枝を生やし木となり、季節を経てページごとに姿を変えていくポップアップ絵本です。1ページずつ開いて展示しています。
IMG_8942

子どもの成長に向き合いながら始まった絵本制作ですが、『Little Tree』は1本の木を巡る普遍的なテーマで大人にも読まれるロングセラーとなっています。家の中で過ごす時間が増えた状況の中で、お子さんやご家族、もちろんお一人でも、今なら絵本を読む時間を作ることができるかもしれないという方もいるのでは。興味を持たれた方は下記からのぞいてみてください。
ワンストローク オンラインショップ

「小さなデザイン 駒形克己展」図録はこちらから☟
ブルーシープ オンラインショップ

IMG_8940

 

ー小さなデザイン
駒形さんが大切にしてきた「小さなこと」。それは、会場の作品を見ても伝わってきます。
手に中に収まる小さなサイズの絵本や招待状、ワークショップや少数の人に向けたデザインなど。小さいからこそ広がる想像の豊かさを伝えてくれます。

6/21(日)まで、併設ショップでもワンストロークの書籍など関連商品を販売中です。6/16(火)は休館日。ご来場、お待ちしております。

画像はすべて 撮影:古賀亜矢子
(九州大学病院小児医療センター内観画像を除く)

【展覧会ページ】
小さなデザイン 駒形克己展

ニュース&レポート アーカイブ