編みものけものみち 三國万里子展

三國万里子があなたのニットと対話する会①

当初、アピールポイントをふまえて、三國万里子さんが当選者のニットを見て感じたことをこのウェブサイトでお伝えする予定でしたが、「ニット作品を作った人に直接話を聞いてみたい」ということで、急遽当選した方々とオンライン・ミーティングを開きました。

「作風」の先に行くためには、同じようなことをしている人がいるということを知って、じゃあ自分の個性って何か、ということをさらに深めていくことが大事じゃないかと思います。
という三國さんの言葉を受けて、
「がっつりグループ」
「パッチワーク系」
「ほっこり系」
と3つのグループに分けて、各3名の当選者と三國さんとでお話いただきました。

普段繋がるはずのない人がオンラインで繋がり、「編みもの」という共通話題で盛り上がった楽しい時間でした。直接伺ったお話や、実際に三國さんがニット作品を着てみて気づいたことなども含め、三國さんがコメントを書きました。当選者のニット作品の写真とあわせて、お楽しみください。

第一回目は「がっつりグループ」。たくさんの作品をご応募くださったknitterlandさん、mizuseaさん、シガールさんの3名です。青字は三國万里子さんからのコメントです。

knitterlandさん(40歳)

knitterlandさん(40歳)

今回最もたくさん作品を見せてくださったknitterlandさん。
オリジナルを作り出すということへのためらいがなく、「こんなのあったらかわいいんじゃない」というアイディアも、きっと自然に湧いてくるのだろうな、とお見受けしました。
オリジナルづくりには「産みの苦しみ」というのがつきものだと思うのですが、彼女は苦しみを楽しみに変えてしまうのかもしれない。
作品をよく見ると、普通ならありえないくらい面倒と思う技法を真正面から取り入れながらのびのびとまとめ上げていて、作ることの筋力を感じます。
色使いにしっかりとした好みとセンスがあり、カラフルな柄が饒舌におしゃべりするようなニットたちでもあります。
サメのセーターとミトンがわたしはすごく好きです。

 

 

mizuseaさん(45歳)

mizuseaさん(45歳)

抑制の効いたロマンティックさを感じさせるmizuseaさんのセーター。
最大の特色は色の使い方です。
ヨークセーターはモノトーンの中に差し色を一つ入れて、グラデーションのセーターは段染め糸を使うのではなく、色の移り変わりを見ながら糸を変えて、自然にトーンを変化させています。
ヨークセーターを編むおもしろさについて、「袖と身頃を合わせた後で、ヨークの柄を編みながらぐーんと減らしていくところが楽しい」と、夢を見るような表情でおっしゃっていて、彼女が感じているスリルが伝わってくるようでした。
セーターの気配りの行き届いた柄行きに、mizuseaさんの、数学的で構築的な美しさへの興味を感じて、しみじみいいなあと思います。

 

 

シガールさん(41歳)

シガールさん(41歳)

作品3点を拝見して、シガールさんはおしゃれでファッションが好きな方なんだろうなぁと思いました。
夢のあるアイディアを盛り込みながら、着た時の体の収まり方がすごく良くて、人を引き立てる。
それは手編みのニットではなかなか難しい到達点だと思います。
都会的な「抜け」があるおかげで、これと何を組み合わせようか、というイマジネーションを広げてくれるところも素晴らしい。
中でも氷柱をイメージしたというスカートは、テクスチャー柄の伸び縮みの性質をしっかり理解して使っていてシルエットがとても美しく、見ていてとても気持ちがいい。
シガールさんがどんなコーディネートでこのスカートをお召しになるのか見てみたいな、と思いました。

次回に続きます。

【展覧会ページ】
編みものけものみち
三國万里子展

ニュース&レポート アーカイブ