編みものけものみち 三國万里子展

三國万里子があなたのニットと対話する会②

第2回は「パッチワーク系」。当選者は、COMOさん、ペリコさん、heavymoonさんです。青字は三國万里子さんからのコメントです。

COMOさん(44歳)

COMOさん(44歳)

バブルステッチという丸い凹凸模様でストールを編まれたCOMOさん。
幅広で大判のストールを、とても細い糸で、それも引き上げ編みを駆使した柄で編むというのはなかなか大変なことです。
でもそれを敢えてするところにニッターの個性や自由があるのだとも思います。
編み地は所々で色を変えたりラメ糸を入れながら、繊細なグラデーションを作り出していて、眺めているとCOMOさんの語りを聞いているよう。
このストールは両端に大きな編み出しボブル柄のポケットがついていて、半折りにして首から下げ、手をポケットに入れる仕様になっているのですが、実際巻くと見た目よりずっと軽いことに驚きました。
機械編みのような緻密さがありながら、触れると手編みであることがしっかり伝わるニットでした。

 

ペリコさん(36歳)

ペリコさん(36歳)

Jamieson’sの糸二本どりでカラフルな半袖プルオーバーを編まれたペリコさん。
使っているレース模様はいわゆるfeather(鳥の羽)パターンというシェットランドレースに多く見られるもので、シェットランドの糸がシェットランドの模様を引き寄せた感がありますね。
横方向に色が変わっていくので、継ぎ目はどうしていらっしゃるんだろうと思ったら、糸を絡ませて編み目に穴があかない工夫が施されていました。
下から上に向けてちょうどよく減らし目しながら形を整え、レースのスカラップで縁の曲線を作り、ウエアとしてまとめ上げているところに、ペリコさんの編みもの歴5年の実りを見る気持ちがします。
何よりこの色の取り合わせがすごくかわいらしくて、ペリコさんの人柄を感じさせます。

 

heavymoonさん(57歳)

heavymoonさん(57歳)

このショールを拝見してまず思い浮かべたのが、絵本の『ぞうのエルマー』でした。
なんと楽しい色使いでしょう。
余り糸を活用するために作られたとのことですが、今まで作った作品から少しずつ集められた色ですから、heavymoonさんの好みがどの色にも行き渡っていて、それでこんなにたくさんの色を使いながら調和しているのだろうと思います。
作る工程をお聞きしたところ、「つぎはぎしながら次はこんな色が来たらいいんじゃないかと、編み地を足していきました」と。
「思いつき」だから「重い月」なんですと笑いながらおっしゃっていたheavymoonさん。
物語を感じるような色の連なりになっているのは、次はどうなるの、というワクワクが作品に表れているからなんだと思います。
パッチワークの編み地はダブルになっていて、2枚がずれないようにカラフルなボタンホールステッチが施されているのも、お人柄を感じさせて素敵です。

次回に続きます。
第一回目はこちらから。

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