イルヨイルイル モノモノノケ 展

ワークショップソコノケソコノケ モノノケトオルレポート

7月28日(金)にtupera tuperaさんと阿部高之さんが来場し、イムズホールで「ソコノケソコノケ モノノケトオル」 ワークショップをおこないました。当日の様子をレポートいたします!

今回のワークショップでは、大人も子どもも愉快でブキミな「モノモノノケ」に変身し、写真家 阿部さんによるモノノケ撮影会をおこないました。

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tupera tuperaさんと阿部さんによる写真絵本『モノモノノケ』を大きなスクリーンで紹介した後、ワークショップの説明をおこない、総勢100名でモノモノノケ作りスタートです!

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絵本『モノモノノケ』の紹介

まずは、モノモノノケの土台となるお面選びです。1人1枚これから作るモノノケのキーワードが書かれたくじを引いた後、お面を探します。くじには、「はこぶのがとくい」「しっぽがついている」「毛がながい」など面白いキーワードが書かれていましたよ。想像力を膨らませながら、カラフルで様々な形のお面の中からキーワードにぴったりなひとつを選びます。

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DSC01592 tupera tuperaさん作成のくじ引きBOX

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「はこぶのがとくい」なモノモノノケとはどんな形? 「ヨレヨレ」なモノモノノケはどんな色?…と考えながら、これだ!というお面を選びます。選んだお面に、絵具や紙、糸、カップなどの材料を使ってモノノケの表情をつくります。子どもも大人も夢中で取り組んでいました!

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笑ったモノノケ、怒ったモノノケ、ヒゲが生えたモジャモジャしたモノノケ、おめかししたモノノケなど個性豊かなお面が次々と生まれていきます!それぞれ、どんな名前なのか、どんな性格なのか気になりますね。作ったモノノケは、制作者に似る!?という噂も…!

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皆さん、制作中は賑やかながらも、とても集中しており、あっという間に完成の時間になりました。
完成後は、モノモノノケになりきって、ホール内をぞろぞろと大所帯の「百鬼夜行」です。その姿を阿部さんが写真に収めます。当日、皆さんには、よりモノノケ気分になってもらうため、全身黒い服装で参加いただきました。皆さんバッチリ決まってます!

百鬼夜行&撮影会をスタートしようとしたところ…スペシャルゲストが駆けつけてくれました!アコーディオン奏者のアライタケヒトさんです。アライさんのアーコーディオンにもモノモノノケがっ!アライさんお手製の逆立ちが得意なマヨネーズのモノノケです!

当日は、アライさんが即興で作ったモノモノノケソングに合わせて、みんなで歩きました。
モノモノノケソングは、一度聴いたら頭から離れない、少し不気味で不思議な曲でしたよ。
イ〜ルヨ〜イルイル〜♪  モ〜ノモノノ〜ケ〜♪ ソ〜コニモッ、コ〜コニモッ… ♪

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100名以上のモノモノノケたちの撮影を続ける阿部さん

100名以上のモノモノノケたちの撮影を続ける阿部さん

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モノノケ撮影会の様子

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モノモノノケ作り、百鬼夜行、撮影会と盛りだくさんのワークショップは、最後は花吹雪とともに大盛り上がりの中、終了しました。

モノノケ撮影会の写真は、アルティアム「イルヨイルイル モノモノノケ 展」の会場内に展示していますよ!阿部さんにより、なんと7.5mにもおよぶ長〜い写真として仕上がってます。まさに参加者全員による百鬼夜行ですね。

写真と一緒に、tupera tuperaさんや阿部さん、アライさんが作成したモノモノノケお面も展示しています。ちなみに、tupera tupera 亀山さんのキーワードは「クール」、中川さんは「ユニーク」、阿部さんは「ねむたい」でしたよ!会場に探しに来てくださいね♪

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会期も残り2週間となりました!
ぜひユニークなモノモノノケを見に来てくださいね。皆様のご来場、お待ちしております♪

【展覧会ページ】
絵本作家 tupera tupera × 写真家 阿部高之
イルヨイルイル モノモノノケ 展

2017/7/8 − 8/27

Local Prospects 3

編みもの / 物語をほどくワークショップ レポート

九州産業大学4年、博物館実習生の木村です。今日はわたしが当日のワークショップの様子をご紹介させていただきます!

7月22日(土)に、今年11月に開催する展覧会「Local Prospects 3 原初の感覚」のプレイベントとして、平川渚(ひらかわ・なぎさ)さんによるワークショップをおこないました。

平川渚さんは1979年大分県生まれのアーティストで、糸をかぎ編みで編んで空間に拡げていくインスタレーションや古着を素材とした作品などを発表しておられます。11月の展覧会では、皆さんの思い出がつまった編みものをほどき、その糸を使って新しい作品をつくることに挑戦してくださいます。今回のワークショップでは、その「編みものをほどく」という作業を参加者の皆さんと一緒におこなっていきました。

当日ほどく手編みの「編みもの」は、広く一般から寄贈募集をおこないました。アルティアム入口でも寄贈Boxを設置しています(寄贈受付は8/10まで)。

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皆さまのご協力のおかげで、編みものは予想以上に集まり無事にワークショップをおこなうことができました。平川さんも集まった編みものと編みものにまつわるエピソードの豊かさに驚いていらっしゃいました!寄贈いただいた皆さま、本当にありがとうございます!

集まった編みものたち(一部)

集まった編みものたち(一部)

ワークショップ当日に持ち込まれた編みものは、その場でカメラマンに撮影していただきました。

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本格的に撮影されることに驚いて、その様子を撮影する参加者の方も♪これまで大切に保管されてきた編みものたちも嬉しそうです!

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寄贈いただいたすべての方に、お持ちの編みものに関するエピソードを書いていただきました。このグレーの帽子には、一体どんなエピソードがあるのでしょうか?

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みんなでおしゃべりをしながら、せっせとほどき中です・・・
参加者の中には、現在、編みもの教室で先生をしていらっしゃる方も!「こんな特別な空間で、毛糸をほどく経験はなかなか無いですね」という声もいただきました。普段一人でほどく作業も、みんなでおこなうとなぜか楽しいですね♪

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一つ一つを丁寧に手でほどき、無事に編みものがひとつほどき終わりました!
こうしてみると、多くの毛糸を使っているのがよくわかります。

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その糸をぐるぐる巻いて、毛糸玉が出来上がり!
毛糸玉を作るときに、うっかり落としてしまってコロコロ転がっていってしまうことがあったり、なかったり・・・?

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小さいお子さんも平川さんと一緒に、毛糸玉づくり中♪毛糸玉はふたりで一緒に作ると、ぐるぐるぐるぐるとスムーズに作れますね!

ワークショップは、大名にあるkonya-galleryで開催しました。皆さん真夏の暑い中、ご参加いただき本当にありがとうございました♪
今回、寄贈していただいた編みものは、平川さんの手によって新しい作品の一部に使用されます。また、書いていただいたエピソードも展示予定です。こちらも読んでみると興味深いエピソードばかりで大変面白いです。

展覧会「 Local Prospects 3 原初の感覚」は、今年の11月11日(土)から12月3日(日)まで開催いたします。皆さん、ぜひお越しください♪

 

【展覧会ページ】
Local Prospects 3
原初の感覚

2017/11/11 − 12/3

イルヨイルイル モノモノノケ 展

会場レポート

九州産業大学4年、博物館実習生の奈須です。

本展は絵本作家tupera tuperaと写真家の阿部高之さんによる、暮らしの中に潜んでいるかもしれないユニークな怪物たちが登場する写真絵本『モノモノノケ』の世界に出会うことができます。開幕から1ヶ月ほど過ぎ、お子様から大人の方までたくさんの方に来場いただいております。展覧会の会場をご紹介します。

◆写真パネル
『モノモノノケ』の絵本の一コマを紹介するパネルを展示しています。
「あ!ここにいたよ!」とモノモノノケの見つけあいっこをして楽しんで鑑賞されている様子がよくみられます。みなさんもぜひ、日常に潜むモノモノノケを大きなパネルの中から見つけてみてください。中央にはジャバラ状の絵本の実物が置かれ、3メートルのページを一目で見渡すことができます。
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◆モノモノノケ立体作品
絵本に登場したモノモノノケたちの展示ブースとなっています。ここに展示されているものは、すべて実際に絵本制作に使用された作品です。個性豊かなモノモノノケたちは大きさも性格もさまざまです。暗い空間に浮かび上がるようでちょっぴりブキミですが、それぞれのモノモノノケのネーミングや性格を知ると可愛くみえてきます。会場の壁には、元気に動き回るモノモノノケたちが映像として見え隠れしています。ぜひ探してみてください。
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◆絵本とワークショップ
こちらには、『モノモノノケ』や『わくせいキャベジ動物図鑑』、『しろくまのパンツ』などのtupera tuperaの絵本を15冊設置しており、自由に読むことができます。『モノモノノケ』以外の絵本作品にもぜひ触れてみてください。
また、オリジナルのモノモノノケをつくるワークショップに参加できます。参加無料です!詳しくはこちらをご覧ください。
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◆アイデアスケッチや絵本原画
モノモノノケたちの性格や見た目などの細かいアイデアスケッチとジャバラの形をした絵本のラフが展示されており、絵本の制作過程を垣間見ることができます。また32枚の絵本原画のひとつひとつ存在感のあるモノモノノケたちは、写真とイラストのコラージュです。
7月28日におこなわれた「ソコノケソコノケ モノノケトオル ワークショップ」の阿部高之さんによって撮影された写真とワークショップ参加者のつくったモノモノノケお面を8月4日(金)から追加展示しています。
ぜひこちらもご覧ください。
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モノモノノケ展の会期も残り3週間ほどとなりました。夏休みのお出かけの際には、ぜひイムズ8階の三菱地所アルティアムにお立ち寄りいただき、愉快なモノモノノケの世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。

【展覧会ページ】
絵本作家 tupera tupera × 写真家 阿部高之
イルヨイルイル モノモノノケ 展

2017/7/8 − 8/27

イルヨイルイル モノモノノケ 展

tupera tupera × 阿部高之 オープニングトーク レポート

7月9日(日)におこなわれたtupera tuperaさんと写真家阿部高之さんによるオープニングトークの様子をレポートいたします。

にぎやかな雰囲気のなか、イムズプラザ特設ステージでトークがはじまりました。まずは自己紹介タイム!tupera tuperaさんからは、絵本作品のほかにも福岡で手掛けたお仕事なども紹介されていました。阿部さんからは、これまでに撮影されたみなさんもよく知る芸能人のポートレート作品や自主的に手掛ける出張写真館の魅力的な写真などが紹介されました。tupera tuperaさんと阿部さんは、20年来の仲だそうで、3人の楽しい雰囲気が伝わってきました。

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絵本作家tupera tupera 亀山達矢さん 中川敦子さん

絵本作家tupera tupera 亀山達矢さん 中川敦子さん

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写真家 阿部高之さん

そしてtupera tuperaさんによる大人気絵本『やさいさん』のミニ絵本ライブもおこなわれましたよ。会場からは、「やったー!」というお子さんの声が聞こえていました。子どもも大人も声を合わせて参加するなど、会場が一体となった絵本ライブでした。

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また、7月29日(土)14時〜は、tupera tuperaさんとアコーディオン奏者 新井さんによる絵本ライブがイムズプラザでありますよ。とても楽しい時間となること間違いなしですので、ぜひご来場ください!詳しくはこちら

そしてアルティアムで展示中の『モノモノノケ』についても。『モノモノノケ』は、tupera tuperaさんと写真家阿部さんが手がけた、家の中に潜むモノモノノケたちを探しながら読み進めるジャバラ絵本です。アルティアムでは、このちょっと不思議で愉快な写真絵本『モノモノノケ』の魅力を紹介しています。

絵本『モノモノノケ』 アリエスブックス(2017) © tupera tupera / Takayuki Abe

絵本『モノモノノケ』 アリエスブックス(2017) © tupera tupera / Takayuki Abe

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絵本『モノモノノケ』を広げると、なんと約3mの長さに!まさに「現代版百鬼夜行」です。
そして今回、スペシャルゲストも登場しました!湯のみモノモノノケ「ウヌチャボレ」の登場です。8Fアルティアムの会場から出張してきてくれました。tupera tupera亀山さんによると、たくさんいるモノモノノケの中でも特に、「ウヌチャボレ」は愛着のあるモノモノノケだそう。

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ちなみにその頃、アルティアムのウヌチャボレの展示台にはこんな置き手紙(作 : tupera tupera)が…!今は、無事出張から戻ってますので、みなさんぜひアルティアムにウヌチャボレを見にきてくださいね。

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当日は、そのほかにもモノモノノケクイズなどがあり、大変盛り上がりました。

アルティアム会場には、tupera tuperaさんがみつけてきたたくさんの愉快な「モノモノノケ」たちが待っています。その他にも絵本に使われた原画、絵本の一コマを拡大した不思議な写真、モノモノノケをつくるワークショップコーナーがあるなど子どもから大人までお楽しみいただけます。

アルティアム会場の様子

アルティアム会場の様子

ぜひイムズ8Fアルティアムに、あなたのお気に入りのモノモノノケを探しに来てくださいね。お待ちしております♪

【展覧会ページ】
絵本作家 tupera tupera × 写真家 阿部高之
イルヨイルイル モノモノノケ 展

2017/7/8 − 8/27

イルヨイルイル モノモノノケ 展

ワークショップ キミノモノモノノケをつくろう! レポート

九州産業大学4年、博物館実習生の木村です。

今回は、イルヨイルイル モノモノノケ 展の「ワークショップ キミノモノモノノケをつくろう!」のご紹介をしていきます。こちらはアルティアム会場内でおこなっており、どなたでも随時ご参加いただけます!

本展ではtupera tuperaと阿部高之さんによる、日常の中に潜んでいるかもしれない、ユニークな「モノモノノケ」の絵本の世界を紹介しています。会場内には、絵本に登場するキャラクターたちを展示しています。また、今回のワークショップでは、絵本にちなみ、自分だけのモノモノノケを作ることができます!

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ワークショップスペースには、写真家の阿部さんによって撮影されたパンプスや長靴、ミシンなど、いろんなモノのワークショップ用紙があります。その用紙に、ペンで目を描いたり、色紙をハサミで手の形に切って貼ったり・・・いろんな工夫をしてキミノモノモノノケをつくってみましょう!

お子さんはもちろん、お母さんもモノモノノケづくり!
家族みんなで一緒にキミノモノモノノケを作ってみると、楽しさも倍増しますね♪

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「こっちがいいかな?」「こうしたらどうだろう?」と一緒に考えて作ってみるのもいいですよ。

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掲示中のキミノモノモノノケの中には、tupera tupera の亀山さん作のものも混ざっています!
あなたも亀山さんの作品に負けないような作品を作ってみてはいかがでしょうか?

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みなさんが作ったモノモノノケは、壁に貼っていきます。いろんな人たちが作った作品を見ることができます。
tupera tupera の亀山さんやお友達が作ったモノモノノケがいるかも!探してみてください♪

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その場で撮影もOK!撮影したモノモノノケを「#三菱地所アルティアム」「#モノモノノケ」で投稿してみましょう!
会期中は毎日、このような家族で楽しめるワークショップを開催しています。是非お越しください!お待ちしております。

【展覧会ページ】
絵本作家 tupera tupera × 写真家 阿部高之
イルヨイルイル モノモノノケ 展

2017/7/8 − 8/27

シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展

ワークショップ 活版印刷でブラック・ベアのポストカードをつくろう レポート

6月17日(土)、18日(日)におこなわれた活版印刷ワークショップの様子をレポートします! 今回、ブルームーンデザイン事務所の中川たくまさん、福岡市内で活版所文林堂を営む山田善之さん、長崎県小値賀島で家業の晋弘舎活版印刷所で働く横山桃子さんを講師としてお迎えししました。 講師のみなさんより、ブルーナ作品の魅力や活版印刷の歴史など説明いただき、ワークショップがスタートしました。 DSC00409web
今回使う紙は、赤、青、緑の3種類。この紙が、どのように仕上がるのか楽しみです♪ DSC00434web
活版印刷は、セットされた凸面の版にインクをつけ、圧をかけて印刷をします。手作業でおこなうため、圧力の具合やその時のインクの状態により、1枚1枚少しずつ違った表情の印刷物ができあがるのが特徴です。

まず、印刷機に紙をセットします。印刷機の中には、かわいい「ブラック・ベア」の版がスタンバイしています!レバーを手前にぎゅーっと引いて、ドキドキしながら、ゆっくりゆっくりとレバーを戻します。 すると…!紙に「ブラック・ベア」が印刷されました。自分で印刷すると嬉しさも倍増です。 みなさん、レバーを引いて印刷するときは真剣な表情、レバーを戻しできあがりを見ると笑顔がひろがります。 DSC00623web DSC00565 DSC00849 DSC01050web DSC00813
次に、好きな言葉を選び文字を印刷します。今回、ブルーナ作品のペーパーバックの表紙に登場する言葉を中心に、オランダ語のガイドを用意しました。みなさん思い思いの言葉を選んでいましたよ。講師の中川さんによると、活版印刷は、ブルーナさんの生まれであるオランダから長崎に伝わったそう。意外なところでもオランダとのつながりを知り、嬉しくなりました。 DSC00919 DSC00554 IMG_1595web
同じ「ブラック・ベア」の版ですが、選ぶ言葉やレイアウト、印刷の具合によって、みなさん表情の違うポストカードが完成しました。 DSC00594web
講師の山田さんは、「ボタンひとつで早く大量に物ができあがる時代に、人との出会いや手で創ることに魅力を感じ活版印刷を続けている」とおっしゃってました。また、100年続く活版印刷所の4代目である横山さんは、お父さまがおっしゃった「活版は人間のリズムに合った印刷だ」という言葉をとても実感しているそう。

ブルーナさんの作品も「手で創りだす喜び」「人間のリズムや温かみ」が感じられます。今回のワークショップでは、そんなブルーナさんの作品やオランダとのつながりにも想いを馳せながら、とっておきの1枚をつくることができました。

展覧会も残すところ6日となりました。ぜひ「ブラック・ベア」をはじめ、ブルーナさんの温かみのある作品に会いに来てくださいね。ご来場お待ちしております♩

BLACK BEAR © copyright: Dick Bruna

【展覧会ページ】
シンプルの正体
ディック・ブルーナのデザイン展

2017/5/13 − 7/2

シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展

会場レポート

本展も会期終了まで残り10日を切りました。開幕から一ヵ月以上過ぎましたが、日々たくさんの方にご来場いただいております。本日は会場内と、昨日来場者一万人を達成した際のセレモニーの様子をお届けします!
本展は1~3章に分かれています。章ごとに簡単にご紹介します♪

1 章「心をとらえるシンプル」
ブルーナさんが家業の出版社でデザイナーとして働いていた頃(1955~1975年)につくられたペーパーバックやポスター作品を中心に展示しています。ペーパーバックの表紙には「ブラック・ベア」や「シャドー」がいろいろな姿で登場しています。約20年間で2,000冊以上(!)もの表紙のデザインを手がけたそうです。
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2 章「 想像力をひきだすシンプル」
1953年刊行の最初の絵本『りんごぼうや』以来、2011年の『うさこちゃんとふがこちゃん』まで120冊以上の絵本をつくってきたブルーナさん。その中から貴重な原画を含めた絵本作品をご覧いただけます。
ブルーナさんの絵本は全て、「ブルーナ・カラー」と呼ばれる6色のみでつくられています。赤色は幸せ、喜び、黄色は明るさや暖かさ、緑色は安心など、感情をそれぞれの色に置き換えて表現しています。
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ブルーナさんが制作をする様子が映像でもご覧いただけます。ゆっくりとフリーハンドで描かれている様子に驚かれるのではないでしょうか。ぜひ会場でご覧くださいね。
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2章の最後には、2011年につくられたブルーナさんの未発表絵本『クマくんがしんだ』(仮題)も展示しています。


3 章「 シンプルの明日」
日本のデザイン界で活躍する4組のクリエーターが、ブルーナ作品にインスピレーションを受けて、作品を発表しています。KIGI、groovisions、中村至男、ミントデザインズによる作品をお楽しみください。
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3章のみ、撮影可能です!3章の入り口にある注意事項をお守りのうえ、撮影くださいね。

最後になりましたが、昨日、本展の来場者1万人達成を記念し、セレモニーをおこないました。記念すべき一万人目のお客様は、嘉麻市からお越しの方でした♪図録と展覧会グッズを記念品として、お渡ししました!
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会期は7月2日(日)まで!「シンプルの正体」をテーマに、ブルーナさんの作品をさまざまな着眼点からお楽しみいただける展示となっています。県内外から、デザイン科をはじめとする学生さんのご入場も相次いでいます。学生さんにとっても必見の展覧会ですよ♪たくさんの方のご来場をお待ちしております!

Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2017 www.miffiy.com
BLACK BEAR © copyright: Dick Bruna  © Dick Bruna

【展覧会ページ】
シンプルの正体
ディック・ブルーナのデザイン展

2017/5/13 − 7/2

シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展

菊地敦己×中村至男 オープニングトーク レポート2

本展にそれぞれ別の形で関わられているお二人のデザイナー、菊地敦己さんと中村至男さんによるオープニングトークのレポート2回目をお届けします。1回目はこちらからお読みください。
(以下は、トークを一部抜粋・編集したものです。)


(司会)
次は、中村さんの展示作品についてお話を伺おうかと。

(中村)展覧会全体の紹介スライド進めてなかったけど、いいの?(笑)

(菊地)それでは、早解り解説をしましょう(笑)。

(中村)お願いします(笑)。

(菊地)まず、グラフィックデザインって一体なんだろうと。例えば絵画とどう違うか。単純な説明をすると、絵画はひとつだけのものをつくる。それに対して、グラフィックデザインは同時に同じものがたくさん存在するというのが前提となります。要するに版をつくるということです。設計図や版があると複製が可能になります。そうすると、色と形が分離して考えられます。絵の具で塗られた形は、ものとしての絵の具と形というのが一体のものとして存在していますが、グラフィックデザインの場合は、形を色の組み換えることができるんです。版画の版を考えてもらえばいいと思うんですけど、同じ版に違う色を塗って刷ることができますよね。だから、色と形が別々に計画されるんです。それが第1章の中で色や線、くり返しの話として、それぞれの特徴に分けて展示されています。
第2章はおもに絵本を紹介しています。絵本というのは平面の絵の連続性です。絵が連続していくことで、時間軸ができていきます。だから主に時間の話なんですよね。ピクトグラムなんかもここで展示されていますが、これは早いスピードで意味を認識するための形です。ブルーナはそういう端的な形を使って絵本をつくっています。瞬間的にそのものが何であるかを認識できる、記号性の高い形を連続させて、時間軸のある物語を展開させています。
そういう基本的なグラフィックデザインの方法を軸にして、ブルーナの仕事が配置されていて、デザインというものがどうやって出来ているのか、暗に伝われば良いなという展示構成です。

(司会)ブルーナさんのアプローチは、デザインの教科書のようだとおっしゃる方もいらっしゃるくらい、きちっとやるべきプロセスを経ていたり、工夫されるべき点がそれぞれにちゃんとなされています。とてもブルーナさん一人の作品とは思えない、いろんな引き出しを持って取り組まれているのが分かります。多様な表現を、千本ノックのようにいろんな実験をされているので見ていただければと思います。

(中村)僕は1章の装丁コーナーを一番楽しく拝見しました。ブルーナさんって好きに描いているようで、ちゃんとテーマを持って、苦しんでいる号もあるんだろうなと思いながら見ました。本のお題とのすり合わせをずっと行ってきた流れも読み取れて。もちろん時代も国も全然違うんですけど、何かつくる時の機微があったんだろうなと、同業者の目線で見て楽しかったです。

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1章 おしゃべりな色 ブルーナさんの装丁を大小様々な大きさで展示

 

(司会)多い時は年間に150冊くらいの装丁を手がけたそうです。デザイナーとして次々装丁の仕事がくる環境というのは、同じ職業としてどんなふうに想像されますか。

(中村)どうかな。まず時代も違うけど、家業でもあった。

(菊地)自分ちだと、いわゆる受注仕事とはまた違いますからね。装丁だけであれば、150冊はそんな多くないと思うけど(笑)

(司会)多くないですか(笑)。

(中村)「この時の号は、売れなかったじゃないか!」って怒られたりしたのかな?(笑)好き勝手やっていいわけでもないでしょうし。やっぱり売らなきゃというのも頭の中には絶対あったと思いますし、そこでも工夫されてたでしょうね。実際どの装丁が売れた売れなかったとか知りたい。「反復」などシリーズを作って繰り返して出していくというのは、シリーズを続けていく中で見つけた手法だとも思います。

(司会)シリーズごとにテーマ設定や色使いなど、ブルーナさんの中で自分の規則を作りながら取り組まれていた様子が感じられますよね。

(中村)自分でルールを作って、それにキツく縛られつつ、デザインするって楽しいですよね。

(司会)菊地さんは、ブルーナさんが、キャラクター性あるものを繰り返し使う技術が優れているとご指摘されていましたよね。

(菊地)それはミッフィー以降の仕事ではっきり表れますね。初めの頃のミッフィーシリーズは、まだ一つ一つの造形が汎用的ではなく、内容に対しての応え方をしています。後期になればなるほど、絵柄自体はかなり汎用性が高まって、個別の表情は薄くなっていく。だから「絵」が好きな人は、初期のミッフィーが好きっていう人が圧倒的に多いですよね。

(司会)特に『ちいさなうさこちゃん』『ゆきのひのうさこちゃん』など初期の4冊でしょうか。

(中村)歪んでたり、ひしゃげてたり、楽しいですよね。

(菊地)絵の魅力でいうと圧倒的に初期の方が僕も良いなと思っています。ただ、ミッフィーというシムテムと考えると後期の方が正しいですね。

 

***

 

(司会)1、2章でシンプルの魅力を味わっていただいたあと、4組の作家にブルーナさんのシンプルを受けて、作品を新たに創作していただくというコーナーです。中村さんから今回の作品についてご説明いただけますか。

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中村さんの作品「#∩∩」

(中村)このお話をいただいた時、ブルーナさんがまだご存命でした。ひょっとしたら僕のを見てくれるかも!という期待をもって考えたものなんです。これはミッフィーだから出来るコミュニケーションです。必ずミッフィーが一枚のどこかにいるのですが、どこまで見えたらミッフィーを感じるか、現代の自分のトーンで、試しました。全く描かなくても存在を感じるようなものも、もう1~2枚作ってみたいなと、本当はまだいろいろチャレンジしたかったですね。

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(菊地)ミッフィーを有名人という前提で扱ってますよね。

(司会)耳の形の一部だったとしても、ミッフィーという誰もが知ってるキャラクターだからこそ、成立する。

 (中村)本当は僕も尖ってる耳が好きなんですよね。

 (司会)初期のミッフィーですね。

 (中村)でもこの考え方だとやっぱり完成形の丸い耳が正しいだろうということで。

 (司会)中村さんがタイトルにつけてくださっていた「#∩∩」。

 (中村)これ、なんて読むんですかね?(笑)。

 (司会)「U」の形を逆さまにした文字を二つ並べることでミッフィーの耳をイメージさせるくらい、形が浸透しているからこそできる遊びですよね。

 (菊地)ちょっと聞いても良いですか?至男さん、最近妙にマットな色調というか、グレイッシュな、あまりコントラストが強くない色を使っていますよね。色に対して何かありますか。

 (中村)うーん。今言われて気がついた(笑)。なぜ段々グレーになってきてるんだろう。インスタグラムのハッシュタグで「#∩∩」で入れたらこれが出てくるという仮設定もありましたので、その時に、もしかしたら写真的な空気を感じた方が良いと考えたのかな。そういうパキッとつく感じじゃなくて、空気がある感じなのかな。

 (司会)モニター越しに見る、みたいな気分があったりしますか。

 (菊地)結構グレイッシュでしかもトーンがあるんですよね。

 (中村)どっちが良い?

 (菊地)いやいや(笑)。トーンがあるというのは要するに、淡いグレーと濃いグレーとか階調違いがある。そうすると画の中に光を持ち込むということになる。微妙な対比なんだけど、そういうものがだんだん入ってきたなと思って見てたんですよ。昔はもっと幾何学的なラインで、パースがなかったり、陰影がなかったりしたんだけど。最近は透視図法が入ってきて、しかもトーンも入ってると思って。

 (中村)まだまだ成長中です(笑)。

 (菊地)画面の構成でいうと、割とどこでも切り取れる広い情景があって、写真のように切り取ってきたみたいな、ある種の便宜性に見えるのが面白いなと思いました。一枚の絵として定着させたわけじゃなく、瞬間的にトリミングしたような感じが。

 (中村)切り取り癖は、職業柄あるのかな。つい、やっちゃいますね。

 (司会)温度が低い感じもあったり、少し距離を感じるとか、そういうのも色のトーンで感じるところはありますよね。

 

***

 

(司会)今回、『クマくんがしんだ』という絵本を展示しています。これは、ブルーナさんが2017年2月に亡くなられたあと、4月に関係者の方に配られました。(※市販はされておりません。)ブルーナさんがこれを制作したのは2011年で、ブラック・ベアシリーズのポスターに使用したイラストに、お話がついています。通常のブルーナさんの絵本だと、サイズが15.5×15.5cmですが、この絵本は22cm角です。お話自体も少し不思議な感じがあります。それをご覧になってお二人はどんな印象を受けましたか。

 (菊地)これは刊行目的でつくられたものじゃないですかね。

 (司会)つくられた2011年の段階では、今発表するとご覧になる方の受け取りも様々なので、良い時期が来たら発表しましょうと、保留されていたとお伺いしています。

 (中村)つくった時は完全に創作としてつくったということですか?

 (菊地)遺作のつもりでつくってるように見えますね。

 (司会)その想いはあったかもしれませんね。

 (菊地)僕は1ページ目は好きですよ。「クマくんが しんだ、ぼくは しんぶんで よんだんだ」っていう言葉がいいなぁ。1ページと最後のページはとても好きだった。
中身は、ブラック・ベアの既存の作品のカットアップでページがつくられていて、それに文章が添えられています。ブラック・ベアの回顧集的な意味合いが強い。やっぱり遺作として、自分のこれまでの作品をどう扱うか考えられていたように感じますね。

 (司会)絵本の形をしてるけど、単に絵本ということでもない。何か不思議な存在です。

 (菊地)ブラック・ベアがぴったりだなって思ったんでしょうね。その気持ちなんとなく分かります。

 (司会)ミッフィーではなくて。

 (菊地)たくさん作品をつくってきて、最期に何をつくろうかなとなった時に、やっぱりブラック・ベアを選んだのかって。ことも向け絵本っていうよりは大人も含めたすべての読者に向けてという気持ちもあったんじゃないかと。

 (中村)いまのお話を聞いて、これを遺作として自覚的につくるっていうのはすごいなって。引退されたというか、アトリエに通わなくなってからつくられたもの?

 (司会)2011年の何月に作られたのか具体的には分からないですが、絵本シリーズの最後の作品が2011年ですので、それと同じ年ですね。

 (菊地)生前に自分でお墓買ったり、遺影用意したりするのと近いのかな。準備万端な人だなぁと思って感心しました。ディック・ブルーナなりの仕事の終わらせ方がこういうやり方だったのかなと。なんというか、整頓された美しさがあるなと思いました。

 (司会)これまでブラック・ベアの設定は、あまり説明されてこなかった。そのような中で、『クマくんがしんだ』では、イラストに言葉を添えているので、ブラック・ベアというキャラクターがすごく生き生きして見えてきます。絵本を見ると、そういう楽しみ方もあるなぁ思います。とても素敵な言葉が付いているので、ぜひ会場でじっくりご覧いただければと思っております。

 

デザイナーならではのブルーナ作品の捉え方や展覧会を構成してくプロセスなど、興味深く貴重なお話を菊地さんと中村さんに楽しく繰り広げていただきました。今回のトーク内容をふまえ、あらためて展示をご覧いただくと、新たな発見があるのではないでしょうか。「シンプルの正体 デォック・ブルーナのデザイン」展は、7月2日(日)まで開催しております。ディック・ブルーナさんの魅力がたくさん詰まった展覧会に、ぜひ足をお運びください!

【展覧会ページ】
シンプルの正体
ディック・ブルーナのデザイン展

2017/5/13 − 7/2

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